会社概要 こころの健康 カラダの健康 食の健康 予防という検診 地域の健康 代表blog

第39回根のある暮らし 被災地の復興をサポートする「結結プロジェクト」

oowada.jpg

震災から9か月、当初は毎月のように、ここ数カ月は毎週のように東北に通っています。行先はいろいろです。宮城県気仙沼市、大崎市、南三陸町、石巻市、亘理町、岩沼市、塩釜市、そして福島県いわき市・・・

被災地の様子を拝見し、被災された方からお話をうかがい、ボランティア活動に参加するなどしました。7月には認定NPO法人女子教育奨励会(JKSK)が主催する「結結(ゆいゆい)プロジェクト 東北と首都圏の女性交流会 第1回車座 in亘理町」に実行委員の一人として参加しました。

「結結プロジェクト」は、JKSKが東日本大震災を機に、東北で復興活動に取り組む女性たちの課題や取り組みに関し、首都圏の女性たちが共に考え、支援・協力・応援をしていくために立ち上げたものです。東北で活動する女性と、首都圏で社会の課題を解決することを仕事としている女性たちとの車座(交流会)を定期的に開催していきます。回を重ね、参加者を増やすことによって、新しい価値観で新しいコミュニティを創造する女性ネットワークを100人以上に拡げていこうという考えです。もちろん、女性だけではありません。志を同じくする男性にも参加いただいています。

亘理町で開かれた1回目は、ボランディアセンターや津波被害の現場訪問の後、蔵王のホテルに場所を移し活動報告会、そして翌日午前中3時間をかけて、東北の女性たちが抱える課題の解決策を皆で話し合うワークショップを行いました。参加者は東北・首都圏合わせて42人、男性も5人ほど。

 

111226_no1.JPG

東北と首都圏の女性たちが熱心に語り合う

 

その場で出されたアイディアのいくつかは実際にプロジェクトや調査が始まりました。また、「次の車座の開催をぜひいわきで!」という福島県いわき市からの参加者の要望を受け、12/2から3日、第2回車座がいわき市で開催されました。今回は見学や意見交換に加え「未来のエネルギーを考えるシンポジウム」も開催しました。

 

移住先としても人気だったいわき

福島県いわき市は人口約33万人。東北地方で最大の工業都市です。また、フラガールで有名なスパハワイアンズや温泉、水族館など多彩な観光資源があり、観光客数は県内第1位の年間約1,102万人でした。また、東北地方では年間日照時間が最も長い地域でもあります。

震災前のいわきは、首都圏から高速道路で2時間半と比較的近く、海があり温暖な気候ということもあり人気の移住先でした。それが、震災により津波、地震、原発事故の甚大な被害を受け、海では海水浴も漁もできなくなってしまいました。農地は耕作されない場所が増え、農産物は放射線が検出されずとも売れません。また、湯本温泉や海水浴場などもありますが、観光客の姿もほとんどありません。

 

111226_no2.jpg

久ノ浜地区。解体される家屋に咲く花

 

今回の参加者は60人ほど。地域の課題解決を検討するワークショップは8つのテーマで話し合いました。いわきを再生可能エネルギーの拠点にしよう、畑に綿や菜種を植えよう、若い人考える復興計画をつくろうなど、様々なアイディアが出されました。

実際、いわきは使用されている電力使用量の約3倍の再生可能エネルギーのポテンシャルを有する町です。長い日照時間を活かした太陽光、風力、温泉熱、小水力・・・多くの可能性があります。

 

111226_no3.jpg

各地から専門家・実践者が集まったシンポジウム

 

2012年、これからが復興活動の本番です。特に原発事故の被害を受けた地域の震災復興にはこれから長い年月がかかるでしょう。いわきの海で特産だった「メヒカリ」という魚を食べることができる日もまた来るにちがいありません。私はいわきで出会った皆さんと一緒に、再生可能エネルギーを中心とした地域コミュニティづくりに来年は取組みたいと考えています。

 

※認定NPO法人JKSK http://jksk.jp/j/index.html