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今月のクローズアップ食材 「ほうれん草」

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今月は11月から翌年1月頃に旬を迎えるほうれん草です。一年中出回っていますが、冬のほうれん草は甘みが強くて味も濃く、栄養価もぐんとアップします。ところでみなさんはほうれん草の「ほうれん」の意味を知っていますか。ほうれん草の原産地はコーカサスからイランにかけての西アジア。「ほうれん」は漢字で「菠薐」と書き、中国語でペルシャ(現在のイランにあたります)のことを意味します。日本へは江戸時代初期に中国から伝わりましたが、その際ペルシャからシルクロードを経て、中国に伝えられたため、「ペルシャの草=ほうれん草」と名付けられたといわれています。

現在、日本で出回っているほうれん草のほとんどは国産で、貴重な自給野菜のひとつ。一部に輸入品もありますが、冷凍食品などの加工食品として扱われることが多いようです。

みなさんの中には子供の頃、ほうれん草の缶詰を食べるとパワーアップするアニメの「ポパイ」の姿を見て、「ほうれん草を食べると強くなれる」と信じていた世代の人もいるのではないでしょうか。確かに、ほうれん草の栄養は他の葉野菜と比べても優秀です。ビタミン、ミネラル類が豊富で、特にビタミンAは一日の必要量は、葉でわずか6枚程度(120g)で足ります。このビタミンAは、粘膜や皮膚、髪を強くしてくれます。また牛レバーに匹敵するほど鉄分が豊富で、貧血予防にも。消化吸収もよく、食物繊維が胃腸の調子を整えてくれます。

ただし、ほうれん草には結石の原因になるシュウ酸が多いので、食べ過ぎには注意したいのですが、調理の仕方でシュウ酸を減らすことができます。シュウ酸はほうれん草の特徴でもある「あく」の成分なので、茹でて水にさらせば溶け出します。そのまま炒める場合でも、カットした後、しばらく水にさらすといいでしょう。最近では、品種改良でシュウ酸を少なくした、生で食べられる「サラダほうれん草」も出回っています。

ほうれん草を選ぶ際は、葉が肉厚で、緑色が濃いものがおすすめです。また根元が太く、赤みが強いものが、甘みのあるほうれん草の証拠です。

ところで近年、よく見かけるのが「ちぢみほうれん草」。葉が立っている一般的なほうれん草とは違い、葉が横に生えて丸く広がったような独特な姿をしています。しかも厚めの葉の表面は縮んだようなシワが入り、色も一般のほうれん草に比べて濃いのが特徴。これは「寒じめ栽培」という方法で霜を葉の全体に当てるため、ほうれん草の凍結から身を守るという防衛作用が葉を引き締めるからです。この際、甘みが凝縮させるので、一般のほうれん草より甘みがアップ。さらにビタミンCは一般のほうれん草の約3倍もあるそうです。アクが少なく食べやすいのも魅力。旬は12月以降と、本格的な冬にならないと出回りませんが、この冬、見かけたらぜひ試してみてくださいね。

 

 

レシピ「翡翠チャーハン」

 

ほうれん草で全体が翡翠色になるから「翡翠チャーハン」。横浜中華街に「翡翠チャーハン」で有名なお店がありますが、こちらはほうれん草をペーストにして使うため、本当に全体が翡翠色でキレイなのです。でもペーストだと水分が多いため、素人が作るとべちゃっとしたチャーハンになってしまいがち。そこで今回はほうれん草をみじん切りにして、作ってみました。2人分でほうれん草を1把分たっぷり使うから栄養豊富。ほうれん草が苦手なお子様も、チャーハンなら食べてくれるかも!

 

 [材料2人分]

ほうれん草...1

温かいご飯...300g

エビ...4

卵...1

長ねぎ...1/2

ザーサイ...20g

しょうゆ...小さじ1

オイスターソース...小さじ1

塩・こしょう...適量

サラダ油...大さじ1

 

 

[作り方]

1. ほうれん草を洗い、塩ゆでして、水にさらす。根の先のほうだけ切り取り(赤い部分は残す)、手でしっかりと水気を絞った後で細かいみじん切りにする。水分が多い場合はさらに手で握るようにして水気を切っておく。

2. ザーサイ、エビもみじん切りにする。長ねぎは小口切りにする。

3. ボウルに温かいご飯と割りほぐした卵を入れて、よく混ぜておく。

4. フライパンにサラダ油を中火で熱し、エビを入れてしっかり火を通す。3の卵ご飯を加えて炒め合わせる。

5. 卵に火が通りパラパラしてきたら、長ねぎ、ザーサイ、ほうれん草を加え、炒め合わせる。塩・こしょう、オイスターソースで調味し、鍋肌からしょうゆを加えて強火にし、炒め合わせたら火を止める。

6. 皿に盛り付ける。

 

 

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撮影日は時期が早かったため、葉が薄く根元がまだ小さめ。みなさんは葉が厚く、大きな根元の赤いほうれん草を選んでください

 

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一把分のほうれん草もみじん切りにして水気を取ると、これだけの量になります

 

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ザーサイはメーカーによって塩分が異なるので、塩分が強い場合は調味の際に塩を控えましょう。エビは大きめに切って存在感を出してもOK

 

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あらかじめ卵とご飯を混ぜておくと、炒める際に慌てずに済みます

 

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チャーハンは強火で一気に仕上げるのが秘訣ですが、なかなか難しいものですね。卵ご飯から作れば、中火でも大丈夫

 

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オイスターソースの隠し味が効いた、おいしいチャーハンです