会社概要 こころの健康 カラダの健康 食の健康 予防という検診 地域の健康 代表blog

2011年2月アーカイブ

oowada.jpg

 最近、まち歩きが人気だそうで、旅行会社が主催するものもけっこうあるようです。私も最近は商店街活性化のお手伝いをする機会があり、武蔵野市吉祥寺、新宿区大久保、埼玉県熊谷市、埼玉県小川町、福島県会津若松市などのまちを歩いてみました。

 

 その中で今回ご紹介したいのは埼玉県比企郡小川町です。埼玉県小川町は都内から約60キロ、池袋から東武東上線で70分。人口3.5万人の町です。周囲を緑豊かな外秩父の山々に囲まれ、市街地の中央に槻川(つきがわ)が流れ、かつての面影を残す町並みがあります。手すき和紙の里、有機農業の里として知られています。和紙同様の歴史を持つ「小川絹」、森林資源を活用した「建具」、良質な水など酒造りに適した自然環境に恵まれ、今でも三軒の造り酒屋があります。

 

◆手すき和紙の里

 小川町の和紙は1,300年の歴史を持ち、中でも楮(こうぞ)だけを使用した「細川紙」の製造技術は、国から「重要無形文化財」の指定を受けています。埼玉伝統工芸会館や小川和紙体験学習センターで、体験など講習会が開かれています。和紙体験学習センターは昭和初期に埼玉県製紙試験場として建てられたもので風情があります。


1102224_1.jpg

小川和紙体験学習センター

※和紙のふるさとおがわ http://www.town.ogawa.saitama.jp/kankou.html

※小川和紙体験学習センター http://park18.wakwak.com/~washitaiken/index.htm


◆有機農業の里

 小川町には30数件の有機農家がいます。ほとんどの人は「霜里農場」の元研修生です。農場主の金子美登(よしのり)さんは、1971年から農薬も化学肥料も使わない農業を行ってきました。NHKの「プロフェッショナルの仕事の流儀」にも登場されました。農場の隣には下里分校があり、奇数月に開かれる「霜里農場見学会」の会場にもなっています。この学校も木造平屋建てで、とても懐かしい雰囲気です。見学会ですがすでに3月は定員に達していますが、514日(土)は参加可能です。

 

※ご参考:第27CSA(地域で支える農業)。どの地域の、どのような農業を応援していますか?

  http://www.469ma.jp/health/2010/12/27.html

※霜里農場見学会 http://www.shimosato-farm.com/

※金子美登さん(霜里農場/NPO法人全国有機農業協議会会長)

  http://www.nhk.or.jp/professional/2010/0105/index.html


110224_2.jpg

有機栽培の農場


 霜里農場の大豆を原料にした豆腐が人気の「清水屋」は駅前に。地元の「青山在来」という大豆は糖度が高く、クリーミーです。


110224_3.jpg

ぴっかり豆腐

 

◆地ビールや酒造が運営する料理店

 商店街の中に、町内で作られた麦を原料にビールを作っている「麦雑穀工房マイクロブルワリー」があります。店内で地ビールの製造を行い、軽いおつまみと一緒に店内でいただくことができます。地産地消にこだわり、工房施設や農場施設には中古資材や廃材を有効活用し、原料の麦は化学物質を使用しない自然力栽培、有機栽培の原料地域自給100%を目指すという徹底ぶりで、支持を得ています。

 先日うかがった時には「山椒ビール」があって驚きました。確かに、後味が山椒でした。 

※麦雑穀工房マイクロブルワリー http://www.craft-beer.net/zkm.html


110224_4.jpg

マイクロブルワリー

 

 私が気に入っている食事処に晴雲酒造が運営している「玉井屋」があります。こちらも、野菜やお米は町内の有機野菜を使っています。魚や埼玉産の豚肉の粕漬けがメインのランチがお勧めです。デザートの酒粕のブランマンジェもなかなかです。

※玉井屋 http://www.kumagaya.or.jp/~seiun/tamaiya/TOP.html

 


110224_5.jpg

晴雲酒造に併設。旬産旬消の料理を賞味できる

 

 そして、小川のまち歩きで何より驚くのは図書館が立派だということです。玉井屋から徒歩3分ほどのところにあります。地元の石や和紙、木材が使われ、会議室、和室、ホールまであります。図書館が充実しているのは、その地域の文化度が高いのだと思います。

 3月には槻川の湖畔にカタクリやニリン草が可憐な花をつけます。ぜひ早春の小川町を歩いてみてください。


110224_6.jpg
110224_7.jpg












カタクリ、ニリン草


 私が最近歩いて面白かったのは新宿区の大久保や、埼玉県小川町があります。大久保は今やコリアタウンのようで、韓国料理店や韓流スターのブロマイドを販売するお店や、韓国食材が買えるスーパーなどが多く集まり、若い女性グループから様々な年齢のグループで賑わっていました。

takahashi2.jpg

日本の伝統的な乾物のひとつに高野豆腐があります。私の主人は宮城県出身なのですが、はじめて「高野豆腐」の話をしたところ、「それなに?」と存在を知らないようでした。あとで調べてみると、東北地方では「凍み(しみ)豆腐」といわれているそうなのです。さらに調べてみると、甲信越地方や北海道では「凍り(こおり)豆腐」、大阪では「ちはや豆腐」など、様々な名称があることがわかりました。高野豆腐と呼ばれるようになったのは、江戸時代に高野山のみやげ物として珍重されていたからと言われていますが、現在、高野山周辺では製造されていないとか。また日本農林規格(JAS)では、凍り豆腐が正式名称となっているそうです。私はとても意外だったのですが、みなさんはいかがですか?

そんな高野豆腐(今回はこの名称にさせていただきますね)、どのように作られるかご存知でしょうか。古くからの伝統的な製法は、しっかりと水切りした豆腐を切って、冬の寒さ厳しい屋外に放置します。夜には豆腐が凍結して、そして日中に溶けます。これを何度も繰り返すうち、完全に水分が抜けてスポンジ状の乾物になります。じっくり時間をかけて作られるスローフードなのですね。

ところが現在売られている高野豆腐のほとんどが、冷凍機で凍結させて、乾燥機で乾燥させる機械製法がほとんど。今でも自然凍結・乾燥の製品も売られているので、ぜひみなさんには選んで購入していただきたいです。やはり時間をかけて作られた分、風味や味わいが違うからです。

 通常の豆腐も栄養豊富な食材として世界中で注目されていますが、実は高野豆腐は通常の豆腐よりも栄養価が高いのです。良質のたんぱく質が、なんと豆腐の7倍もあります。さらに凍結させていることで、豆腐のたんぱく質が変化してコレステロール値を抑制する働きも加わっているとか。また高野豆腐の脂質は豆腐の8倍。脂質と聞くと、「太るのでは?」と思うかもしれませんが、この脂質は不飽和脂肪酸で、こちらもコレステロール値を下げる働きがあります。そのうえ食物繊維も豊富で、健康的にダイエットしたい人に、ピッタリの食材というわけです。その他、肌の乾燥を防いでくれる効果もあります。これはグリシンというアミノ酸の一種の働きによるもので、高野豆腐は凍らせることで、大豆のたんぱく質が分解されてアミノ酸が増えるため、他の大豆食品と比べてもグリシンの量が格段に増えています。空気が乾燥している今の時期、肌のカサカサが気になるもの。そんなときは積極的に高野豆腐を食べましょう。

高野豆腐は乾物とはいえ、直射日光や空気に当たると豊富な脂質が変化してしまうため、冷暗所に保管して、早めに使ってくださいね。

 

レシピ「ひじき入り高野豆腐つくね」

高野豆腐の栄養をしっかり摂りたいなら、乾燥している状態のまますりおろして使うのがおすすめ。さらに栄養の吸収がよくなるからです。そのため、すりおろした高野豆腐を煮ておかゆのようにして、赤ちゃんの離乳食に利用する人も多いようですよ。つくねやハンバーグのようなひき肉料理にも、高野豆腐のすりおろしを混ぜれば、ボリュームはしっかりあるのにカロリーダウン。また表面がパリッとして、味わい深くなるのも高野豆腐の効果です。

 

[材料2-3人分]

鶏ひき肉...120g

高野豆腐...1?2

長ねぎ...1/4

ひじき(乾物)...5g

生姜...1

卵...1/2

醤油...大さじ2

片栗粉...大さじ1

サラダ油...大さじ1

砂糖...小さじ2

酒...大さじ1

 

[作り方]

1. 長ねぎと生姜はみじん切りに、ひじきは30分くらい水に浸して戻して水気をよく切っておく。高野豆腐は大根おろし器ですりおろす。

2. 小さめの容器に醤油(材料のうちの大さじ1)、砂糖、酒を混ぜておく。

3. 鶏ひき肉をボウルに入れ、卵を加えて粘りが出るまでよく混ぜる。すりおろした高野豆腐、ひじき、長ねぎ、生姜、醤油(材料のうちの大さじ1)、片栗粉を加えて、さらによく混ぜる。

4. フライパンにサラダ油を熱し、3のタネを直径5?6?の楕円形にまとめて並べる。裏面に焼き色がついたらひっくり返して両面を焼く。

5. 2の合わせダレをかけて、火を少し強め、からめながら煮詰める。しっかりと絡まって照りが出てきたら完成。

 

 

110208_1.jpg

豆腐が藁で編んであるものは、自然乾燥の証。見つけたらぜひ使ってみてください

 

110208_2.jpg

乾燥のまますりおろすとこのような粉状になります。このままフライ衣にもおすすめ

 

110208_3.jpg

高野豆腐が加わると水分を吸ってまとまりやすくなります

 

110208_4.jpg

焼き色をつけて表面をパリッとさせるのがコツ

 

110208_5.jpg

お弁当のおかずにもピッタリ。居酒屋風に串焼きにするのもいいですね