東京から大阪まで出張や旅行に行くとき、あなたは新幹線と使いますか?それとも航空機ですか? 私は出張で毎月大阪に行っているのですが、以前は航空機を使うことがたまにはありました。でも、JR東海の「エコ出張」の広告を目にする頻度が増えてからは、新幹線を利用することにしました。CO2の排出量が、新幹線は航空機の約1/6(交通エコロジー・モビリティ財団「運輸・交通と環境2006」)と聞いたからです。
また、調査(「企業における「ECO出張」促進の意義とその具体的方策」2007年、三菱総合研究所)によれば、東京・大阪間の移動で、航空を利用する割合は19%、鉄道が80%、1%がバスだそうですが、東京・福岡間となると、航空が83%、鉄道16%、バス1%となります。東京・大阪間の移動人数は年間4000万人ほどで、そのうち、仕事で利用する人の割合を7割と想定し、全員が鉄道を利用した場合、年間で19万トンのCO2削減になると試算しています。企業の場合、運賃がどうかということも選択の優先事項でしょうから、一概にCO2の排出量が少ないからだけで選ぶとは思えませんが、個人の場合は、価格が同等の場合は環境負荷が少ない交通手段を選びたいものです。
◆ 航空のCO2、携帯から簡単にオフセットできる!
それにしても、福岡や札幌までの出張や、旅行などで航空を利用する場合、なんとかこのCO2を減らす方法は無いのかしら、と思っていたところ、ANAが「カーボン・オフセット プログラム」を導入することを知りました。9月10日から開始される同プログラムは、当初は乗降客数上位5つの航路、羽田発、千歳、伊丹、沖縄、福岡行きで開始し、10月1日から全便に拡大するそうです。搭乗を待っている間に、ロビーで携帯電話を使用し、QRコードで簡単にカーボンオフセット購入申し込みができるという仕組みです。価格は羽田・伊丹間のCO2排出量は片道で49kg、542円(消費税込み)、往復で1,084円。まあまあ手頃な価格で、支払いはクレジットカード、登録番号付の証明書が携帯メールで購入者に送付されるそうです。
ANAカーボンオフセットマーク
また、このオフセットのクレジット(排出源)は森林吸収クレジット(J-VER)を使用するそうです。ANAは、国内の森林の再生に資金が環流し、高知、北海道の森林再生や、地域活性化に貢献したいといいます。 航空利用に関わるCO2排出量を利用者が自主的にオフセットするというもので、航空機を利用しているという後ろめたさを解消してくれる、しかも国内の森林に貢献できるということで、森林の再生に少し貢献できる気もします。
手入れの行き届いた森林には日光も入る
最近は他にもカーボンオフセット付き商品が色々登場しているので、そうした商品やサービスを利用して減らしたCO2量が累計できるような仕組みがあると良いと思うのですが・・・ いかがでしょうか?