会社概要 こころの健康 カラダの健康 食の健康 予防という検診 地域の健康 代表blog

今月のクローズアップ食材「オクラ」

takahashi2.jpg

夏になると濃い緑の野菜がおいしいですね。オクラもそのひとつです。オクラの原産地はエチオピア近辺で、エジプトでは2000年も前から栽培されていたそうです。

一方、日本では江戸時代末期の1850年頃に紹介されているものの、一般に普及したのは1970年代に入ってから。日本では比較的新しい野菜なんですね。

私たちがよく目にするオクラは切断面が五角形の角オクラですが、沖縄では切断面が丸い丸オクラが栽培されています。丸オクラ角オクラに比べて、柔らかくて甘みがあります。

 

オクラの旬は夏ですが、最近ではハウス栽培も盛んで、1年を通して出回っています。さらにタイ、フィリピンなどから輸入もされていますので、夏野菜のイメージがないという人もいるかもしれません。

でも旬の国産オクラは新鮮で生命力もあります。ぜひ夏の時期に食べていただきたい野菜なのです。

 

また自宅で栽培もおすすめです。私も昨年の夏、べランダでのプランター栽培で、オクラを育てることができました。オクラの花はハイビスカスに似た大きくて黄色い花。

朝に咲いてすぐにしぼんでしまうので、栽培をすれば花の鑑賞も楽しめます。そして花が終わると、だんだんオクラの形になってきます。小さめの柔らかいオクラを、生で食べられるというのも栽培の魅力ですね。

 

実はオクラの名前は、英語の「OKRA」からきています。ちゃんと日本語名もあって「アメリカネリ(黄蜀葵)」、「オカレンコン(陸蓮根)」ともいうそうです。オクラはカロテンやビタミンCB群を含む優良野菜です。カルシウムやマグネシウム、葉酸も含み、強い骨の維持に効果が期待できます。

 

オクラの大きな特徴であるネバネバは、糖とたんぱく質が結合したムチンと水溶性食物繊維のペクチン、ガラクタンが混ざり合って生まれます。この成分がコレステロールを減らし、胃の粘膜強化、整調作用もあるといわれています。胃の疲れや便秘、下痢、夏バテに効く野菜なのです。

 

旬の新鮮なオクラは、表面の皮がきれいな緑色で、ハリがあるのが特徴。表面に産毛のような細かい毛がたくさん生えているのも新鮮さの証ですから、しっかりとチェックしましょう。

 

調理の際は加熱し過ぎないことがポイントです。サッとゆでて鮮やかな緑になればOK。加熱しすぎると粘りの成分が溶け出て、栄養分もオクラのおいしさも失われてしまい、残念なことになってしまいます。

 

そういえば、前回の記事が「メカブ」で、今回は「オクラ」。私の「大のネバネバ好き」が、読んでくださっているみなさんに感付かれてしまったかもしれませんね。

 

 

 

レシピ「オクラとトマトのカレー」

 

 

  私が10年ほど前にスリランカに旅行した時、オクラのカレーがとてもおいしかったのを覚えています。あの味に近いものを、手間をかけずに簡単に再現できないものか...。考えた末カレーパウダーやガラムマサラといった手軽なミックススパイスと、クミンシードを使って作ってみました。これならスパイスを調合する手間がかかりません。

 

  スリランカのカレーには隠し味に、モルディブフィッシュという柔らかい鰹節のような加工品に使うのですが、今回はどの家庭にもある鰹の削り節を使ってコクを出しましょう。

 

  煮込み時間はわずか10! 材料も少ないので、思い立ったらすぐに作れるカレーです。添えるのは普通のご飯でもいいのですが、長粒種の米でサフランライス(サフラン10本くらいを入れて炊き込む)ならおいしさアップ。

 

 

 [材料 2?3人分]

 

オクラ...1

トマト...2

生姜...1

にんにく...1

カレーパウダー...大さじ1

ガラムマサラ...大さじ1

クミンシード...小さじ1

鰹の削り節(粗削りの場合は細かく刻む)...大さじ1

塩...ひとつまみ

黒こしょう(できたら粗挽き)...ひとつまみ

サラダ油...大さじ

 

 

 [作り方]

 

1.     オクラは塩をふりまな板の上で板ずりして細かい毛を取る。へたは切り落とさず、周りの固い部分を円錐状に削る。30秒ほど塩ゆでして斜め半分に切る。

 

2.     生姜、にんにくはすりおろす。トマトはざく切りにする。

 

3.     フライパンにサラダ油をひき、生姜、にんにくを入れてから弱火にかける。香りがたってきたところでクミンシード、カレー粉を入れて炒める。さらに香りがたってきたらトマトと水200mlを入れ中火にする。

 

4.     沸騰したら7?8分煮て、オクラ、ガラムマサラ、削り節を入れて混ぜ、塩・こしょうで調味する。

 

5.     ご飯(サフランライス)とともに盛り付ける。

 

 

 

 

090514_1.JPG

                         (オクラゆでる前)

 

オクラは女性の指先に似ていることから、アフリカなどでは「レディフィンガー」とも呼ばれているそうです

 

 

 

 

090514_2.JPG

                       (オクラゆでてカット)

 

サッとゆでるときれいな緑色に。おいしさが逃げてしまうのでへたは取らず、硬い部分だけ削り取りましょう

 

 

 

 

090514_3.JPG

                             (スパイス)

 

上がクミンシード、左がガラムマサラ、右がカレーパウダー、下が黒こしょうです。ガラムマサラもカレーパウダーも、様々なスパイスを調合して作られた便利な調味料

 

 

 

 

090514_4.JPG


 

  

090514_5.JPG

                            (完成カレー)

 

オクラは煮すぎないこと。手間がかからないのに本格的、サラリとしたカレーです