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今月のクローズアップ食材「イチジク」

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前回の食材は「味噌」

今ではほとんどの果物が年中出回っていて、果物で季節を感じることが少なくなりましたね。そんな中、限られた季節だけ食べられる貴重な果物のひとつといえるのが「イチジク」です。旬は8月?11月で、秋に熟成する秋果と、夏に熟成する夏果があります。秋果のほうが風味がよいといわれていて、その旬がまさに今なのです。欧米では乾燥させたものを利用することが多いのですが、日本では主に生食用として生産されています。

 

イチジクが漢字で「無花果」と書かれる由来は、粒々の小花が肉厚の花たくに囲まれたまま実が大きくなるので、花が咲かないのに実がつくように見えるためです。イチジクの実を割ると、小さな粒々がぎっしりと詰まっていますね。実はこの粒々が、花のかたまりなのです。

 

日本では、江戸時代からイチジクは「薬の木」といわれ、薬用として利用されてきました。果実には果糖、ブドウ糖、タンパク質、ビタミン類、カリウム、カルシウム、そしてペクチンをはじめとした食物繊維が含まれています。またクエン酸も少量含まれていますが、糖分が多いので酸っぱさはほとんど感じられません。成分中のカリウムは血圧を下げる効果があり、高血圧や動脈硬化などの防止に役立ちます。食物繊維もとても豊富で、便秘改善も期待できます。

また、イチジクにはフィシンというタンパク質分解酵素が含まれています。これは食べたものの消化を促進してくれるので、イチジクを食べるタイミングは、食後のデザートが特におすすめ。切断部から出てくる白い液体にもタンパク質分解酵素が含まれていて、古くからイボ取りなどの民間療法に使われてきました。さらに酔い覚ましや、痔にもよいといわれるイチジク。まさに「薬の木」といわれるだけの様々な効能があるのです。

 

 それでは次に、おいしいイチジクの選び方です。実がふっくらと大きくて、果皮に張りと弾力を持つものがいいですね。ヘタの切り口に白い液がついているものは新鮮な証し。果皮に傷があるものや、しなびているものは避けてください。ヘタのところまで赤褐色に染まった頃が食べ頃です。未熟なイチジクは胃を痛めることがあるので、しっかり食べ頃を見極めてくださいね。

 

イチジクはフンワリと柔らかく、プチプチとした食感も楽しい、他の果物にはない独特のおいしさがあります。食べ方としては生食のほか、コンポートやジャムなどにむいています。タルトやパンケーキもおいしいですね。デザートとしてだけでなく、意外にも塩気のあるものと組み合わせて、おつまみにしても合います。生ハムで巻いたり、ブルーチーズを乗せればワインのお供にピッタリで、我が家ではデザートよりもこちらの出番のほうが多いほどです。

 

 

レシピ「イチヂクのコンポート」

 

 ワインをたっぷりと使って、ちょっと大人のデザート「コンポート」はいかがですか。材料と一緒に煮るだけなのでとても簡単。イチジクの色が一層鮮やかになり、煮詰めた白ワインもピンクになって、かわいらしい印象です。ほんのり香るシナモンがアクセントになります。そのまま食してもいいですが、バニラアイスと一緒に食べれば相性抜群です。大人のデザートと書きましたが、アルコール分はしっかり飛んでいるので、お子さんでも安心して食べていただけます。レモンは皮ごと使うので、無農薬・防腐剤無添加のものを使ってください。

 

[材料]

イチジク...8

レモン(無農薬、防腐剤無添加のもの)...1/2

白ワイン...400ml

砂糖...60g

シナモンスティック(なければシナモンパウダーでも)...1

バニラアイス...適量

 

[作り方]

1.     いちじくはしっかりと洗い、水気をふき取ってからヘタを切り落とす。

 

2.     鍋に白ワイン、砂糖、シナモンスティックを入れて火をかける。沸騰したら、イチジクとよく洗って輪切りにしたレモンを入れ、落しぶた(キッチンペーパーなどでも可)をして、弱めの中火で10分くらい煮る。

 

3.     鍋のまま冷まし、保存容器に移し替えて冷蔵庫で冷やす。

 

4.     よく冷えたら器に盛り、バニラアイスを添えてどうぞ。

 

 

 果皮に張りと弾力があって、しなびていないものを選びましょう

 

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 きれいな色になったシロップも捨てないで。ジュースやカクテルに利用できますよ

 

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 バニラアイスとイチジクを一緒に食せば、幸せな香りが広がります

 

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 この粒々が全部「花」とは、ちょっと不思議な果実ですね

 

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