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2011年11月アーカイブ

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「リトルプレス」をご存知ですか?個人や仲間とつくる小冊子のことで、大手の流通を通さずに販売する出版物です。全国各地でリトルプレスが出版されています。金沢の『そらあるき』、倉敷の『暮らしき』など、それぞれ地域の魅力を丹念に暮らし目線で取材し制作されています。各地のリトルプレスを集めている書店もあります。


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各地で発行されている

 

『弁当と傘』というリトルプレスが兵庫県豊岡市でも10月下旬に発行されました。一瞬このタイトルを見て、どういう意味?と思ったのですが、ああそうか「弁当忘れても、傘忘れるな」は、子供が学校に行くときに、おばあさんが毎日そう言うほど、豊岡や但馬(たじま)地域は雨が多いという話を聞いたことを思い出しました。

 

表紙は豊岡市城南町にある昔ながらの商店に3歳の女の子が傘を持って立っている写真です。懐かしい温かい気持ちになる表紙です。もくじページには菜の花が満開の円山川の美しい写真が載っています。


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『弁当と傘』

 

創刊号ということもあり、特集は「人をとりこにする鳥 コウノトリ」。出石の皿そばや、但馬唯一の映画館である「豊岡劇場」、なつかしいおやつなど紹介されています。行ってみたい、食べてみたいものがいくつもありました。今日の弁当というページには中貝市長の愛妻弁当も。ご飯はもちろんコウノトリ育む農法で育てられたお米だそうです。

 

『弁当と傘』を制作したのは豊岡や但馬が大好きなデザイナー、ライター、企画などの仕事をしている30代の女性4人です。そのお一人である山根和恵さんにお会いしてきました。山根さんは「蜩珈琲(ヒグラシコーヒー)」戸牧(とべら)店の店長さんです。


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蜩珈琲店長の山根さん

 

蜩珈琲が豊岡にオープンしたのは82年前の1930年のこと。山根さんは創業者のお孫さん大阪の大学を卒業して豊岡に戻り、蜩珈琲本店で5年務めた後、戸牧店の店長になりました。本店時代は商店街の販促委員会に所属し、色々なイベントや企画を提案し実施してきました。そして2年前、『弁当と傘』の発行人でありこの本の企画を温めていたグラフィックデザイナーのスワミカコさんと出会いました。今年3月末からメンバーはそれぞれ仕事の合間をぬって取材や編集にあたり、半年余りをかけて完成しました。

 

「町がどんどん新しいものに切り替わっていく。古い店など良いものが無くなってしまうので、残していきたいものを紹介していこうと。」と山根さん。

よそに行っていたからこそ、改めて気がついた故郷但馬の魅力。建物は一般的には経年劣化していくと言われますが、住まい手や地域の人たちが大切にしていくことで、建物も町も経年優化させることができると思います。

 

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豊岡市のアンテナショップ。今年9月オープン

 

32ページ、フルカラーで600円。蜩珈琲店で買うことができます。すでに鳥取、福知山、大阪、京都、そして東京の有楽町交通会館1Fにある豊岡市のアンテナショップ「コウノトリの恵み 豊岡」でも販売されているということです。

あなたの街にもリトルプレスありますか?

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今月は11月から翌年1月頃に旬を迎えるほうれん草です。一年中出回っていますが、冬のほうれん草は甘みが強くて味も濃く、栄養価もぐんとアップします。ところでみなさんはほうれん草の「ほうれん」の意味を知っていますか。ほうれん草の原産地はコーカサスからイランにかけての西アジア。「ほうれん」は漢字で「菠薐」と書き、中国語でペルシャ(現在のイランにあたります)のことを意味します。日本へは江戸時代初期に中国から伝わりましたが、その際ペルシャからシルクロードを経て、中国に伝えられたため、「ペルシャの草=ほうれん草」と名付けられたといわれています。

現在、日本で出回っているほうれん草のほとんどは国産で、貴重な自給野菜のひとつ。一部に輸入品もありますが、冷凍食品などの加工食品として扱われることが多いようです。

みなさんの中には子供の頃、ほうれん草の缶詰を食べるとパワーアップするアニメの「ポパイ」の姿を見て、「ほうれん草を食べると強くなれる」と信じていた世代の人もいるのではないでしょうか。確かに、ほうれん草の栄養は他の葉野菜と比べても優秀です。ビタミン、ミネラル類が豊富で、特にビタミンAは一日の必要量は、葉でわずか6枚程度(120g)で足ります。このビタミンAは、粘膜や皮膚、髪を強くしてくれます。また牛レバーに匹敵するほど鉄分が豊富で、貧血予防にも。消化吸収もよく、食物繊維が胃腸の調子を整えてくれます。

ただし、ほうれん草には結石の原因になるシュウ酸が多いので、食べ過ぎには注意したいのですが、調理の仕方でシュウ酸を減らすことができます。シュウ酸はほうれん草の特徴でもある「あく」の成分なので、茹でて水にさらせば溶け出します。そのまま炒める場合でも、カットした後、しばらく水にさらすといいでしょう。最近では、品種改良でシュウ酸を少なくした、生で食べられる「サラダほうれん草」も出回っています。

ほうれん草を選ぶ際は、葉が肉厚で、緑色が濃いものがおすすめです。また根元が太く、赤みが強いものが、甘みのあるほうれん草の証拠です。

ところで近年、よく見かけるのが「ちぢみほうれん草」。葉が立っている一般的なほうれん草とは違い、葉が横に生えて丸く広がったような独特な姿をしています。しかも厚めの葉の表面は縮んだようなシワが入り、色も一般のほうれん草に比べて濃いのが特徴。これは「寒じめ栽培」という方法で霜を葉の全体に当てるため、ほうれん草の凍結から身を守るという防衛作用が葉を引き締めるからです。この際、甘みが凝縮させるので、一般のほうれん草より甘みがアップ。さらにビタミンCは一般のほうれん草の約3倍もあるそうです。アクが少なく食べやすいのも魅力。旬は12月以降と、本格的な冬にならないと出回りませんが、この冬、見かけたらぜひ試してみてくださいね。

 

 

レシピ「翡翠チャーハン」

 

ほうれん草で全体が翡翠色になるから「翡翠チャーハン」。横浜中華街に「翡翠チャーハン」で有名なお店がありますが、こちらはほうれん草をペーストにして使うため、本当に全体が翡翠色でキレイなのです。でもペーストだと水分が多いため、素人が作るとべちゃっとしたチャーハンになってしまいがち。そこで今回はほうれん草をみじん切りにして、作ってみました。2人分でほうれん草を1把分たっぷり使うから栄養豊富。ほうれん草が苦手なお子様も、チャーハンなら食べてくれるかも!

 

 [材料2人分]

ほうれん草...1

温かいご飯...300g

エビ...4

卵...1

長ねぎ...1/2

ザーサイ...20g

しょうゆ...小さじ1

オイスターソース...小さじ1

塩・こしょう...適量

サラダ油...大さじ1

 

 

[作り方]

1. ほうれん草を洗い、塩ゆでして、水にさらす。根の先のほうだけ切り取り(赤い部分は残す)、手でしっかりと水気を絞った後で細かいみじん切りにする。水分が多い場合はさらに手で握るようにして水気を切っておく。

2. ザーサイ、エビもみじん切りにする。長ねぎは小口切りにする。

3. ボウルに温かいご飯と割りほぐした卵を入れて、よく混ぜておく。

4. フライパンにサラダ油を中火で熱し、エビを入れてしっかり火を通す。3の卵ご飯を加えて炒め合わせる。

5. 卵に火が通りパラパラしてきたら、長ねぎ、ザーサイ、ほうれん草を加え、炒め合わせる。塩・こしょう、オイスターソースで調味し、鍋肌からしょうゆを加えて強火にし、炒め合わせたら火を止める。

6. 皿に盛り付ける。

 

 

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撮影日は時期が早かったため、葉が薄く根元がまだ小さめ。みなさんは葉が厚く、大きな根元の赤いほうれん草を選んでください

 

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一把分のほうれん草もみじん切りにして水気を取ると、これだけの量になります

 

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ザーサイはメーカーによって塩分が異なるので、塩分が強い場合は調味の際に塩を控えましょう。エビは大きめに切って存在感を出してもOK

 

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あらかじめ卵とご飯を混ぜておくと、炒める際に慌てずに済みます

 

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チャーハンは強火で一気に仕上げるのが秘訣ですが、なかなか難しいものですね。卵ご飯から作れば、中火でも大丈夫

 

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オイスターソースの隠し味が効いた、おいしいチャーハンです