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2010年8月アーカイブ

第3回 「真室川」を知っていますか?

hiraki.jpg  こんにちは高橋剛商会の平城匡史(ヒラキタダシ)です。

  夏真っ盛りですが、皆さんどう過ごしておられますか?
さて、前回は稲の種まきのお話を書きましたが、今年の高橋家の種まきは5月2日でした。通常田植えは種まきから約1ヵ月後ですから、今年の田植えは6月にずれ込みそうです。例年よりも10日以上遅い今年の米作りの進捗、理由は異常低温です。農家の中には苗の「立ち枯れ病」がでているところもあるそうです。これから20日間ほど、苗の成長に気をもむ時期が続きます。どうか天候が回復し、気温が上がってくれますように(祈)。

 

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通常はこういうハウスの中でぬくぬくと育てる

 

 

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でも高橋剛と仲間たちの「苗代」は田んぼにそのまま苗箱を並べた"べたばり"方式。
寒さに強い稲を育てるための東北の「先人の知恵」である。

 

 

 

  ところで前回、「お米はどうして直接田んぼに種を撒かず、別に苗を育ててから、"田植え"という面倒なことを行うのでしょうか。」という宿題を出しましたが、答えを考えていただけましたでしょうか。
実は、この問題には唯一の正解はありません(というかわかっていません)。
  京都大学の池橋宏先生は『稲作の起源』(講談社選書 2005年)の中で、野生稲の株分け(水辺にまとまって生えている大きな株から小さな子株を切り取って、住居近くの田に移植する)が"田植えの起源"である、という説を発表し、直播(じかまき=種籾をそのまま田んぼに撒く)より田植えが古い、という新説を唱え、大きな論争になりました。
  現在、世界の稲作地帯の中では、田植え地域(日本・韓国・中国の一部・タイの一部等)は少数派で、直播が主流です。直播地帯では、過去にも田植え農法は一度も根付いたことがない所が多いようです。

  ところが日本では、おそらく稲作伝来の頃から「田植え」も一緒に伝えられ、歴史が記される頃には(万葉集の時代にはすでに)田植えは、一般的な情景でした。その後も日本の稲作は田植えをスタンダードとして今日に至っています。
「なぜ田植えが始まったか」という起源の問題には、答えがでないものの、「田植えという農法にどういう利点があるか」という問いには、大きな2つの正解があります。
その1:弱い苗を別の場所で大事に育てられる
その2:雑草が生えにくい。田植え前に田んぼは代かきをして、雑草の種や芽を土中に深く鋤きこんでしまう。田植え後は稲の苗が早く成長するので、他の雑草が生えにくくなる。

  日本の稲作りは、「田植え」を中心に営まれ、田植えの準備のために農具が開発され、生産性を上げてきました。
ところが今、その田植えという工程が、米作りの労働生産性の足かせになっている、という問題が指摘され、直播が見直され始めています。

 

 

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発芽させた種籾を専用の機械に入れ                           トラクターで等間隔で直播する

 

  山形真室川の高橋直樹さんは、いち早く直播を取り入れ、様々な改良を重ねながら、農法として確立を目指しています。撒いた種籾がカラスに穿られたり、水を張るタイミングを間違えると、雑草との成長競争になったり、直播は決して「楽な」農法ではありません。それでも苗代?田植え工程が省けるなら、それは大きな労働生産性向上につながります。
もしかすると、日本の田園から田植えの光景が消える?日が来るかもしれませんね。
 

今月のクローズアップ食材「トマト」

takahashi2.jpg  トマトは夏野菜の代表格。この季節は露地ものが出回り、甘みと酸味のバランスがよくなります。それにしても最近はトマトの品種が増えたと思いませんか。スーパーに行っても様々な種類が並び、どれを選んだらいいかわからない、という人もいるのでは? 私も同じです。今月はトマトの品種を中心にお届けするとしましょう。

  果実の大きさによる分類では、大玉、中玉(ミディトマト)、ミニトマトがあります。大玉トマトの果重は200g以上、ミニトマトの果重は20?30g程度で、この中間のものは中玉トマトと呼ばれます。さらに形、色もさまざまです。大玉トマトで一般的なのは、桃太郎とファーストトマト。桃太郎は日本で一番流通されているトマトで、酸味よりも甘みが強く、ゼリー部分が多いのが特徴です。
  一方、ファーストトマトは頭の先が尖っているのが特徴で、ゼリー部分が少なくて果実が多く、桃太郎よりも肉質がしっかりとしています。ハウス栽培が中心のため夏にはほとんど出荷されません。桃太郎、ファーストトマトともサラダやそのまま食べるのに適した品種です。大玉トマトで瓜型をしているのは、イタリアが原産のサンマルツァーノと呼ばれるトマト。市販のトマト水煮缶詰やドライトマトはこの種類を使用していることが多いようです。水分が少なく生で食べると味が薄いと感じますが、加熱をすると甘み・酸味・うまみがぐっと増すため、調理して食べるのがおすすめです。

  では、ちょっと珍しいトマトも紹介しましょう。最近よく見かけるマイクロトマトは、ミニトマトの中でも豆粒サイズの小ささ。枝付きで販売されていることもあり、料理の彩りになります。色で変わっているのはブラックトマト。ロシアが原産の黒いトマトです。甘みや酸味は少ないですが、意外に癖がなくてマイルドだとか。生でも火を通してもおいしいそうです。完熟しても緑のままなのはグリーントマト。歯ごたえがあり、すっきりとした味が特徴です。
  さて、一般にフルーツトマトというのは、品種の名前ではありません。糖度が普通のトマトよりも高く、フルーティなおいしさのトマトのことで、デザートにうってつけ。また塩トマトも品種の名前ではありません。土の塩分濃度が高い土地で、極力水を与えずに栽培されたトマトのことをいいます。決してしょっぱいわけではなく、糖度が果物のように高いので、こちらもぜひデザートで。
  トマトの栄養で注目されているのはリコピン。カロチノイドという赤い色素で、強い抗酸化作用があり、ガンや生活習慣病の予防に効果的です。リコピンは完熟するほど増え、しかも生食よりも油で加熱すると吸収力がアップします。その他、トマトはビタミン類も豊富です。ただし夏野菜のトマトは身体を冷やす作用がありますので、特に冷え性の人は食べ過ぎに注意です。

                                                 レシピ「トマト飴」

  ケーキやゼリーなどトマトを使ったスイーツを最近よく目にしますね。その元祖はトマト飴かも!? というのも、まだ日本でトマトスイーツが一般的になる前、台湾の夜市の屋台で串に刺さったトマト飴を発見。りんご飴なら日本にもあるけれど、なぜトマト? 私は拒否反応でしたが、同行者が「試しに食べてみたい」というので興味半分で1串購入。歩きながら1個だけ食べてみたら...「おいしい!!!」すぐに引き返して、もう1本買ってしまいました。だまされたと思ってぜひ作ってみてください。残りの夏休み、ぜひお子さんと一緒にどうぞ。

[材料5串分]
ミニトマト...15個
グラニュー糖...150g
水...10ml

[作り方]
1.ミニトマトは洗ってヘタを取る。
2.3個ずつ竹串に刺し、水気をよくふき取る。
3.小さめのフライパンにグラニュー糖と水を入れて弱火にかけて煮る。
4.泡だって煮詰まり、少し色づいてきたら火からはずす。
5.素早くスプーンなどでミニトマトにからめて、クッキングシートまたは氷の上などで冷やす。

 

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                                                        (ミニトマト)
ミニトマトは普通の大玉トマトよりも栄養成分が多いそうです。この料理ならお子さんも喜んで食べられそうですね

 

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                                                         (串に刺す)
皮が割れないように串を回しながらゆっくり刺しましょう。少しくらい割れてしまっても大丈夫

 

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                                                         (飴をからめる)
                                スプーンでからめれば簡単。やけどに注意ですよ

 

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                                                              (完成)
屋台を意識して板氷の上に乗せてみました。涼しげですね。飴がパリッとなれぱ理想的ですが、トロッとしてしまってもおいしいですよ 

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  「関東ツーリズム大学 丸の内キャンパス」の初めての授業が7月6日に行われ、60人を超す参加者で賑わいました。「関東ツーリズム大学」は、大学といっても学校法人ではありません。特定非営利活動法人えがおつなげて(山梨県北杜市 代表理事:曽根原久司さん)が運営しているプロジェクトの一つです。都市のニーズと地域の課題解決を「旅する授業」を通じて取り組んでいく、実践型の学びの場です。これまで関東近県の8つのキャンパスで様々な活動を行ってきましたが、今年3月に「東京21Cクラブ」を拠点に「丸の内キャンパス」を設立しました。私も設立メンバーとしてかかわっています。

  「丸の内キャンパス」は、都会と農村のビジネスマッチングのキャンパスです。都会と農村のビジネス交差点として、日本の農村資源、例えば、新鮮な農産物、豊かな森林資源、未利用な農村エネルギー資源、美しい景観資源等と、都会のビジネスをマッチングしていきます。

  7月6日に開催されたオープニング授業は、前半が3つのプレゼンテーション、後半は参加者によるグループディスカッションと発表を行いました。参加されているのは、百貨店のバイヤー、プランナー、大学教授やジャーナリスト、企業のCSR部の方など多彩でした。
プレゼンテーションの最初は事業仕分で今年度廃止になった「地方の元気再生」について内閣府の掛江浩一郎さんから、事業の内容と成果、主な案件についてご説明いただきました。いずれも地域資源を活用し、商品やツーリズム、地域づくりなど形になり始めている魅力的なものが沢山あることがわかりました。

  また、農村部からのプレゼンテーションは山形県真室川町から、5年間にわたって地域で行われてきた「食の文化祭」について、埼玉県宮代町の「新しい村」(http://www.atarasiimura.com/)からその取り組みをご説明いただきました。真室川町については、連載コラム「「真室川」知ってますか?」(http://www.469ma.jp/health/2010/06/1.html)をご覧くださいね。町役場から2人の職員さんがお見えになりました。「食の文化祭」は5年間行われ、地域の人々によって地域の食材や郷土料理の数々が発掘され、素敵な郷土料理本『娘に伝えたい郷土食 あがらしゃれ真室川』も刊行されました。今後の課題は、この食材やお料理をどうやって他の地域の方たちにお伝えし、お届けしていこうかということです。


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ご参考:「真室川ブランド」 http://www.yume-net.org/mamurogawa-brand/sub2kurashi.html

  「新しい村」は農村と言っても、都心から約1時間で行くことができます。直売所、体験農園、農業体験ツーリズムなどを行っています。都内の小学生も農業体験に行っているそうです。

  グループディスカッションは、2つのプロジェクトの今後をテーマにワークショップを行いました。皆さん熱心に、どうやったら真室川を東京でアピールできるか、「新しい村」を活用できるか・・・など真剣に熱くディスカッションしていました。何が彼らをこんなに熱くさせるのでしょうね・・・!? 農村からの参加者にとっては貴重なアドバイスとアイディアを得る機会となったようです。

 

  10081002.JPG  次回の授業は9月15日(水)18:00?を予定しています。地方にお住まいの方、地域で練り上げてきた商品やサービスなどご存知の方は、ぜひPRにおいでください。次の一手を一緒に考えましょう。
都市と農山村をつなげ、新しい事業を興すことがトレンドになってきました。

※「丸の内キャンパス」に関するお問い合わせはえがおつなげてまで。 info@npo-egao.net