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2009年5月アーカイブ

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◆野菜の種をまく
根のある暮らしは、まず何かの種を蒔く、苗を植えることから始まります。私は近所に小さな畑を借りて、野菜作りをしています。今年で三年目です。たった2坪ですが、色々なものが育ちますよ。今年は3月中旬に、カブ、大根、サラダゴボウの種を蒔き、そしてジャガイモを植えました。

ちょっと忙しくて中々畑に行けず、4月中旬に行ったときには、カブや大根の苗は10?位になっていて、慌てて間引きをして。その時に、最近時々野菜売り場で見かける「アイスプラント」の苗を見つけ、二つ植えてみることにしました。それからチンゲンサイとニンジンと枝豆の種を蒔いて。

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サラダで美味しいアイスプラント

「アイスプラント」は、アフリカ原産でハマミズナ科メセンブリアンテマ属の植物。名前の由来は表皮に塩を隔離するための細胞があるため葉の表面が凍ったように見えることから、そう呼ばれているそうで。乾燥に強く、耐塩性が高い"塩生植物"の一つであり、土壌の塩分を葉に吸収する特性を持っています。

国内ではソルティーナとか、ソルトリーフという商品名などで販売されています。葉は肉厚で、1?幅くらいにカットしてサラダでいただきます。柔らいけどシャキシャキした食感で美味しいですよ。

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カブ、サラダゴボウ、アイスプラントのサラダ

5月に入ってジャガイモの背丈は30?位になり、つぼみをつけました。またまた間が空いてしまったので、カブは密集しながらも、白い実がすっかり大きくなっていてかわいいものです。大根に至っては葉が50?位に伸びて大変なことになっていました。

そして、いよいよ夏野菜の苗を植えました。トマト、ナス、キュウリ、ウリ、カラーピーマン、オクラ、九条ネギ、インゲン。ということで2坪でもワンシーズンで10種類以上の野菜を育てることができるのです。少量多品種というのは有機栽培農家にも特徴的な植え方ですね。

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いろいろ植えて16種類

そして、わざわざ畑でなくても自宅のベランダ-やプランターでも色々なハーブや野菜を育てることもできますね。下の写真に映っているのは長ネギの一種です。去年の夏に泊まった秋田の農家の畑で作られていたもので、苗を分けていただき、庭先のプランターに植えて、一年が経とうとしているところです。こういうものも、特に農家民泊(農家が行っている宿泊サービス)を利用した時などの旅の思い出になりますね。

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葱坊主ができない不思議なネギ

旅行は有名な温泉旅館も良いですが、たまにはこうした農家民泊に泊まることもお勧めです。農家のお母さんが宿の女将さんでもあり、食事を作ってくれて、一緒におしゃべりしながら楽しい時間を過ごすことができます。その土地で、根のある暮らしをしている方との交流は、なぜか心が温かくなります。

◆木の苗を植える
春から初夏にかけては種蒔き、苗植えが続きます。畑や田んぼに限らず、今年は山に植樹にも行きます。
まず4月下旬には茨城県常陸太田市里美村というところに、広葉樹の苗を植えに行きました。これは村の人たちが地域を美しくしようと、山の斜面の杉を伐採し、そこに700本の桜や紅葉を植えるというのです。村人総出で朝から植樹し、昼は皆で持ち寄った郷土料理とバーベキューです。

東京からも、里美に縁のある人たち20代?60代までの男女約20名が植樹に参加しました。美しい地域は地元住民自らが作る、そしてそれを縁のある都市住民がサポートするという関係ができあがっているなと思いました。

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良く手入れされた杉林(里美)

来週末は山梨県の山梨市三富下釜口にある山で植樹です。これは、二年前に投資した"森林ファンド"で購入された森林の植樹です。最近、個人が少額で森林や農業、日本酒などに投資をするファンドが増えていますが、そうしたファンドについては、またいずれレポートしたいと思っています。今回の植樹は杉ですが、けっこう急傾斜のようですので、しっかり身支度をして臨みます。 そして、苗を植えると言えば代表は田植ですね。すでに済んでいる地域が多いようですが、私は6月中旬に埼玉県小川町の有機の田んぼでの田植に参加します。

あなたの種蒔き、田植、苗植えの話も、ぜひ聞かせて下さいね。


今月のクローズアップ食材「オクラ」

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夏になると濃い緑の野菜がおいしいですね。オクラもそのひとつです。オクラの原産地はエチオピア近辺で、エジプトでは2000年も前から栽培されていたそうです。

一方、日本では江戸時代末期の1850年頃に紹介されているものの、一般に普及したのは1970年代に入ってから。日本では比較的新しい野菜なんですね。

私たちがよく目にするオクラは切断面が五角形の角オクラですが、沖縄では切断面が丸い丸オクラが栽培されています。丸オクラ角オクラに比べて、柔らかくて甘みがあります。

 

オクラの旬は夏ですが、最近ではハウス栽培も盛んで、1年を通して出回っています。さらにタイ、フィリピンなどから輸入もされていますので、夏野菜のイメージがないという人もいるかもしれません。

でも旬の国産オクラは新鮮で生命力もあります。ぜひ夏の時期に食べていただきたい野菜なのです。

 

また自宅で栽培もおすすめです。私も昨年の夏、べランダでのプランター栽培で、オクラを育てることができました。オクラの花はハイビスカスに似た大きくて黄色い花。

朝に咲いてすぐにしぼんでしまうので、栽培をすれば花の鑑賞も楽しめます。そして花が終わると、だんだんオクラの形になってきます。小さめの柔らかいオクラを、生で食べられるというのも栽培の魅力ですね。

 

実はオクラの名前は、英語の「OKRA」からきています。ちゃんと日本語名もあって「アメリカネリ(黄蜀葵)」、「オカレンコン(陸蓮根)」ともいうそうです。オクラはカロテンやビタミンCB群を含む優良野菜です。カルシウムやマグネシウム、葉酸も含み、強い骨の維持に効果が期待できます。

 

オクラの大きな特徴であるネバネバは、糖とたんぱく質が結合したムチンと水溶性食物繊維のペクチン、ガラクタンが混ざり合って生まれます。この成分がコレステロールを減らし、胃の粘膜強化、整調作用もあるといわれています。胃の疲れや便秘、下痢、夏バテに効く野菜なのです。

 

旬の新鮮なオクラは、表面の皮がきれいな緑色で、ハリがあるのが特徴。表面に産毛のような細かい毛がたくさん生えているのも新鮮さの証ですから、しっかりとチェックしましょう。

 

調理の際は加熱し過ぎないことがポイントです。サッとゆでて鮮やかな緑になればOK。加熱しすぎると粘りの成分が溶け出て、栄養分もオクラのおいしさも失われてしまい、残念なことになってしまいます。

 

そういえば、前回の記事が「メカブ」で、今回は「オクラ」。私の「大のネバネバ好き」が、読んでくださっているみなさんに感付かれてしまったかもしれませんね。

 

 

 

レシピ「オクラとトマトのカレー」

 

 

  私が10年ほど前にスリランカに旅行した時、オクラのカレーがとてもおいしかったのを覚えています。あの味に近いものを、手間をかけずに簡単に再現できないものか...。考えた末カレーパウダーやガラムマサラといった手軽なミックススパイスと、クミンシードを使って作ってみました。これならスパイスを調合する手間がかかりません。

 

  スリランカのカレーには隠し味に、モルディブフィッシュという柔らかい鰹節のような加工品に使うのですが、今回はどの家庭にもある鰹の削り節を使ってコクを出しましょう。

 

  煮込み時間はわずか10! 材料も少ないので、思い立ったらすぐに作れるカレーです。添えるのは普通のご飯でもいいのですが、長粒種の米でサフランライス(サフラン10本くらいを入れて炊き込む)ならおいしさアップ。

 

 

 [材料 2?3人分]

 

オクラ...1

トマト...2

生姜...1

にんにく...1

カレーパウダー...大さじ1

ガラムマサラ...大さじ1

クミンシード...小さじ1

鰹の削り節(粗削りの場合は細かく刻む)...大さじ1

塩...ひとつまみ

黒こしょう(できたら粗挽き)...ひとつまみ

サラダ油...大さじ

 

 

 [作り方]

 

1.     オクラは塩をふりまな板の上で板ずりして細かい毛を取る。へたは切り落とさず、周りの固い部分を円錐状に削る。30秒ほど塩ゆでして斜め半分に切る。

 

2.     生姜、にんにくはすりおろす。トマトはざく切りにする。

 

3.     フライパンにサラダ油をひき、生姜、にんにくを入れてから弱火にかける。香りがたってきたところでクミンシード、カレー粉を入れて炒める。さらに香りがたってきたらトマトと水200mlを入れ中火にする。

 

4.     沸騰したら7?8分煮て、オクラ、ガラムマサラ、削り節を入れて混ぜ、塩・こしょうで調味する。

 

5.     ご飯(サフランライス)とともに盛り付ける。

 

 

 

 

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                         (オクラゆでる前)

 

オクラは女性の指先に似ていることから、アフリカなどでは「レディフィンガー」とも呼ばれているそうです

 

 

 

 

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                       (オクラゆでてカット)

 

サッとゆでるときれいな緑色に。おいしさが逃げてしまうのでへたは取らず、硬い部分だけ削り取りましょう

 

 

 

 

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                             (スパイス)

 

上がクミンシード、左がガラムマサラ、右がカレーパウダー、下が黒こしょうです。ガラムマサラもカレーパウダーも、様々なスパイスを調合して作られた便利な調味料

 

 

 

 

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                            (完成カレー)

 

オクラは煮すぎないこと。手間がかからないのに本格的、サラリとしたカレーです

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   4月13日?17日までの5日間、佐々木かをりさんが主宰されている「イー・ウーマン」というWEBサイトの「働く人の円卓会議」で「なるべく、国産の有機野菜を食べていますか?」をテーマに議長を務めました。

   円卓会議には6つの部門があって、毎週6人の議長が発題し、その質問に読者がYesNoを投票したり、意見を投稿するという参加型の読み物です。

 

※「働く人の円卓会議」 http://www.ewoman.co.jp/report_db/id/2702/dow/5/

 

  今回の私が取り上げたテーマは国産の有機の農産物ですが、昨年から「有機農業普及啓発会議」の委員を務めることになり、私自身このテーマに大いに関心を寄せ、各地の有機農家を訪ね歩いているところです。

  このコラムでも連載第6回「有機の里づくりをめざして―埼玉県比企郡小川町「霜里農場」の挑戦―」でご紹介した農場主の金子美登さんとは、この会議で知り合いました。

 

※ゆうきひろがるキャンペーン http://www.yuki-hirogaru.net/index.html

 

 

 

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                      霜里農場 金子美登さん、友子さん

 

  

   円卓会議「国産の有機野菜を食べますか?」への読者の皆さんの関心も高く、最終的にYes371票(71%)、No165票(29%)、合計で536人の方が投票してくださいました。皆さんのご意見はどちらですか?

 

有機農産物を増やす方法

 

   どうすれば、有機農産物をもっと増やすことができるのか、色々なアイディアや提案をいただきました。是非、みなさんからもお聞かせいただきたいところです。

 

・「生協を利用する

   最近は有機農産物を中心に扱う通販型の生協や通販会社も各地にあるので探して利用してみたいですね。

 

・「一般のスーパーで、もう少し価格を抑えた有機野菜が購入できるようになるとよい。」、「流通の中間搾取を止め、農家にきちんと収益が入り、消費者に適正価格で販売される市場を作ること」

   確かに有機だから高く売れるとか、高く売っているという小売店などもあると私も思います。有機農産物の流通を促進するには小売業者が利益を減らしてでも他の野菜と同等の価格にします、というようなスーパーがあったら応援したいですね。

 

・「農家に対する助成金を引き上げる」

   確かにEU諸国では有機農家に助成金が出ています。日本でもいずれそうなる日が来るのではないでしょうか。

 

小学校などで野菜作りの強化拡大をする」

   環境教育の観点も重要です。愛媛県の今治市では地域を挙げて有機農産物の促進に取り組んでいますが、学校給食にも地元の有機野菜を活用していると聞いています。また、昨年から全国で小学校5年生を対象とした農村体験も始まっています。

 

・「有機野菜を自給する」

  "国産の有機農産物を食べる"ということは、必ずしも農家や小売店、通販会社から購入するに限りません。自分で作る方法もありますね。庭先、ベランダ、あるいは農園を借りてなど。

 

 

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                    2坪のMy畑でも色々な野菜がとれる

 

 

食糧自給率を何とかしたいし、豊かな自然を残したいから

 

  私が有機農業に関心を持っている理由は二つあります。一つは、有機農業推進法にもうたわれている生物多様性です。その農法が多様な生物の棲息につながり、豊かな自然や、里山のある景観が維持されることにつながるからです。

  有機の里づくりに取組みコウノトリやトキを再び自然に蘇られせた話や、蛍が飛び交う田んぼの水は甘いとか・・・そういう話をよく耳にします。

 

  そして、もう一つは、"提携"といわれている生産者と消費者の関係性にあります。「霜里農場」の金子さんのところは、約40世帯の消費者と"提携"し、お米や野菜、卵を届けつづけています。親戚づきあい以上の関係だそうです。

 

  この"提携"という1970年代に生まれた日本発の消費者が生産者を支える仕組みは、世界40カ国に広がり、現在アメリカではCSA(コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャー)という呼称で知られるようになり、最近逆輸入されて雑誌などで時々みかけるようになりました。

 

  そして何より、今後のことを考えると、やはり国産です。日本の食糧自給率の低さは、気になっていると思いますが40%です。60%を輸入に頼っているわけです。

  先進国の中でも最も低く、昨年のように石油価格が上がり、トウモロコシはエタノールに使われ、さらに気候変動が進んで極端な気候が増えることで農産物の生産が打撃を受け、アメリカから輸入できなくなったら、また人口増加で中国から農産物が輸入できなくなったら・・・。これが私の危機意識です。日本のフード・セキュリティ(食糧安全保障)です。

 

  なので、国産の、できれば地元産で、(かつ有機が好ましい)のものをもっと増やす、その為には消費者が意識を持って、そういうものを買うようにすることが鍵だと思うのですが、いかがでしょうか。

 

 

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           小川町下里地区の麦畑(3月20日撮影)