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2010年11月アーカイブ

今月のクローズアップ食材「テンペ」

takahashi2.jpg 2005年頃にテレビや雑誌などで取り上げられ、健康に気遣う人たちの間で、ちょっとしたブームになった「テンペ」をご存知ですか? テンペとはもともとインドネシアで、なんと400年以上も前から食べられてきた伝統的な日常食。ハイビスカスやバナナの葉の表にいるテンペ菌という菌で、大豆を発酵させて作る発酵食品です。大豆の発酵食品といえば、日本人は納豆を思い浮かべますが、テンペは糸をひいたり強いにおいがなく、淡白な味が特徴。しかもその栄養価も大注目なのです。
テンペは食物繊維や良質の植物性たんぱく質、カリウム、カルシウム、鉄、リノール酸、レシチン、ビタミンBを多く含んでいます。また、近年更年期障害を緩和してくれるといわれている大豆イソフラボンも豊富。しかも他の大豆食品に比べ、発酵によって身体に吸収されやすくなっています。例えば、一般に推奨されている1日あたりの大豆イソフラボンの量を味噌汁で摂ろうとすると、15杯にもなってしまいますが、テンペなら50gほどで摂取できるといわれています。さらにテンペには精神安定や血流改善に効くといわれるGAVA(γ=アミノ酪酸)も含まれています。こうして書き並べると、栄養がギュッと詰まっているのがわかりますね。アメリカでも1980年代に、様々な研究で栄養価の高さが注目され、ベジタリアンの間で肉や魚に代わるものとして、ブームになったそうです。日本でも栄養価の高さから、成長期にある子供たちの給食の食材にもなっているようです。
テンペ菌は菌糸が大豆に増殖して大豆の表面を覆うため、ブロック状の塊になっています。一見、「どうやって食べたらいいの?」と疑問に思ってしまうかもしれませんが、薄くスライスして使うのが一般的。ちなみにインドネシアでは塩やスパイスで味付けしたテンペを、油で揚げたりケバブのように焼いたり、ココナツミルクで煮てスープなどにします。そのまま焼いてしょうゆやポン酢などで食べるのもいいのですが、納豆よりも調理法が豊富で、様々な食材と相性がいいのがテンペの最大のメリット! いろいろな料理に使ってしまいましょう。野菜と一緒に炒めたり、焼いてサラダに加えてもボリュームが出ておいしい。カレーやシチュー、餃子の具やハンバーグ、コロッケなどに加えてもヘルシーでおいしいですよ。最近国内では、板状のみならず、粉末やペーストなどのテンペの開発も進んでいるようです。様々な形状のテンペが気軽に買えるようになったら、さらに料理のバリエーションが増えそうですね。楽しみ!

レシピ「テンペの白菜ロール」

 

 ひき肉と野菜で作る白菜ロールは、母から教わった私の定番料理。そこでひき肉の分量を減らしてテンペを加えてみたら、ヘルシーなうえ、味わいもぐっとアップしました。ひき肉は煮ると引き締まってしまうのですが、テンペは煮ても大豆が柔らかくてフワフワ。しかも、しっかりと煮汁を含んでくれます。キャベツロールにしてもおいしそう。今回は和風に作りましたが、トマトソースやホワイトソースなら、お子さんも大喜びですね!

 

[材料4個分]

テンペ...100g

白菜の葉...4

にんじん...20g

いんげん...4

鶏ひき肉...150g

...1

だし汁(かつお、または昆布)...150ml

しょうゆ...大さじ2

...小さじ2

砂糖...小さじ1

しょうが汁...少々

塩・こしょう...少々

 

 

[作り方]

 

1.  冷凍のテンペの場合は室温で解凍する。白菜の葉は芯の部分を削ぎ切りして、葉を塩茹でする。白菜の芯とにんじんは長めの拍子切りにする。いんげんはヘタを切り落とす。

2.  鶏ひき肉をボールに入れ、卵、塩、こしょうを加えてよく混ぜ、4等分する。

3.  テンペは棒状に4等分する。

4.  茹でた白菜の水気をふき、中央より下の部分に2の鶏ひき肉を1/4量敷き、いんげん、にんじん、白菜の芯、テンペの1/4を棒状になるように並べる。芯の部分から白菜を巻き、ロール状にする。これを4つ作る。

5.  小鍋にだし汁、酒、砂糖、しょうゆ、しょうが汁を入れて沸かし、3の巻き目を下にして、なるべく隙間ができないように並べる。

6.  落し蓋をして中火で10分間煮て取り出し、輪切りにして皿に並べる。 

 

 

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テンペ菌で覆われた大豆。テンペ菌はまるでカマンベールチーズのよう

 

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今回は小さめの白菜を使っていますが、大きな葉の場合は、

もう少し手前に具を乗せましょう

 

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楊枝などでとめる必要はありません。ただし隙間なく並べるのが大切です

 

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野菜がシャキシャキ、テンペがフワッ。いろいろな歯ごたえが楽しいですよ

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 1024日、小田原で開かれた「第3回ローカルサミット」の報告会に参加しました。ローカルサミットは2008年北海道の十勝で第1回目が、昨年は愛媛県の宇和島で開かれたイベントで、地域の魅力を再発見し、地域を元気にしていこうという取り組みです。今年のテーマは「小田原・箱根・こゆるぎから始まるいのち蘇るまちづくり」でした。

 全国から地域活性化に取り組む農林漁業者、商工金融事業者、研究者、自治体職員、官僚、NPOなど、多彩な"志民"が一堂に会し、オープニングセッション、フィールドワークおよび長時間のディスカッションや交流会を二泊三日にわたって行いました。

※第3回ローカルサミット http://www.local-summit.com/

 

 三日目の「まとめのセッション」の開催場所にまず驚きました。小田原駅地下商店街跡地なのです。この駅地下商店街は3年前に閉店し、駅前の一等地であるにもかかわらずシャッター街になっています。普段は通路としてのみ使われている閑散とした場所なのだそうです。そこが、今日は30余りの地産地消マルシェと、200席を超えるイスが並べられフォーラム会場になっています。参加者の年齢は60歳前後とお見受けする方が中心でしたが、熱気と活気に満ちています。

 

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野中さんと、事務総長の吉澤さん

 

 進行を務めるのはジャーナリストの野中ともよさん。野中さんの、ジョークを交えながらのテンポの良いトークは今日も冴えています。ボランティアで1回目の企画段階から、かかわっているそうです。なんでもこのイベントの主催者には沢山の「アホ」集団がボランティアでかかわっているそうで。ちなみに「アホ」とは"熱く、惚れる"の略称です!

 つまり、そのご当地に惚れ、地域を元気にする活動に熱くなっている人たちの集団というわけです。会場には哲学者の内山節さんや、名著『森は海の恋人』の著者で牡蠣を育てている畠山 重篤さんなどの姿もありました。

   内山節さんオフィシャルサイト http://uthp.net/index.htm

  NPO法人森は海の恋人 http://www.mori-umi.org/index.html

 

 分科会は11もあり、ものづくり、農林水産、食、金融、医療・健康・介護などからアジアまでと多岐にわたっています。いずれも、新しい物差しと、小田原だからこそできることという軸でディスカッションした内容をまとめ、報告されました。新しい物差しとは、従来のGDPとか、売上高、偏差値、生産高などに代わる、いのちやつながりを大切にする価値観や尺度です。

 

 中でも「いのち巡る「環境」」分科会の報告が印象的でした。小田原では昭和29年に57万本取れたブリが今年は290本しか取れない。その原因は、森からのラブレターが届かなくなったからだというのです。海と森の関係は、森が荒れ、森が貧弱になり、それに比例して川や海が貧弱になっていくという構図です。

 

 そこで、新しい物差しとして、「森里海」の連鎖や、心と身体を強くする自然体験などが、小田原ならできることとして、海、山が近い立地を活かした取り組みがすぐにでも始められると提案されました。川の上流、中流、下流が共に活動し、豊かな流域を回復していくという考え方です。  

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            小田原市長、加藤憲一さんも参加 

 

 「ローカルサミット」来年の開催地は富山県の南砺市(なんとし)です。南砺市には昔ながらの農村風景が残っているそうです。ちょうど、11月中旬に別のフォーラムに南砺市を訪ねることになっているので、その報告は次回に。

 

 さて、ランチはその地下街で開かれているマルシェで購入したちらし寿司とキノコ汁をいただきました。海も山もある小田原ならではの美味。そして、マルシェに出店していた創業140年近い「ちん里う(ちんりう)」で梅干しも買いました。小田原といえば梅も有名。10粒で850円と安くはありませんが、曽我梅林で育てられた十郎梅を三年寝かした梅干し。塩のみで漬けているもので、新米と一緒に食べるのが楽しみです。

 

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駅地下シャッター街に2日間だけ賑わいが

 

 地域の自然や特産物、美味、歴史、文化、いずれも地域ならではの財産ですね。そして何よりの財産はやはり人ですね。地域を元気にしたいと活動している人と出会い、応援していきたいものです。これからも私は各地の宝探しを続けていきます。