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2009年7月アーカイブ

今月のクローズアップ食材「豆乳」

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 いよいよ暑くなってきましたね。私は夏になっても食欲が落ちず、悲しいことに「夏太り」してしまうタイプですが、暑くなると夏バテして食欲が減退する人が多いですよね。そんな人におすすめなのが、元気をつくるたんぱく質たっぷり、しかも吸収の早い「豆乳」です。

 中国や台湾では、豆乳のことを豆漿(トウチャン)といい、朝ごはんの定番です。これらの国で朝からにぎわっているお店があったら、おそらくそれは豆漿屋さん。

 私はこの5月に台湾旅行に行ったのですが、ホテルの朝ごはんブッフェはパスして、街に繰り出して豆漿を食べていました。なぜわざわざ行くかというと、前日に食べ過ぎて(台湾料理がおいしくて!)食欲がない朝でも、豆漿は胃にやさしいから。

 お砂糖を入れた甘いタイプと、青ネギと細かく切った油条(細長い揚げパン)を加えた塩味タイプの2種類があり、さらに冷たいタイプと温かいタイプから選べます。私の好みは温かい塩味タイプ。食べていると少しずつ豆腐のように固まってくるのが楽しみでした。

 豆漿屋さんには出勤前のサラリーマンや、OL、親子、老夫婦などが次々とやってきます。誰もが好きな活力源なのですね。

 豆乳は「畑のお肉」といわれる大豆が原料。大豆は良質な植物性たんぱく質以外にも、健康にしてくれる成分がたくさんあります。このような大豆の栄養を、吸収のよい形にしたのが豆乳なのです。

中でも注目したいのが大豆イソフラボン。これは大豆の胚芽に含まれている植物性化合物でポリフェノールの一種なのですが、女性ホルモン「エストロゲン」に似た構造をしています。そのため不足したエストロゲンを、大豆イソフラボンで補足することによって、更年期障害によるほてりやのぼせが軽減されるといわれています。

またエストロゲン低下による骨量の減少を防いだり、血液サラサラの効果もあります。さらには美白作用や保湿力アップといった肌への美容効果も。しかも低カロリーでコレステロールはゼロ。女性には、うれしい効果がたくさんあるのです!

その他、悪玉コレステロールを減少させる大豆レシチン、脂肪の蓄積を防ぎ、活性酸素の作用を抑える大豆サポニンなども豊富。オリゴ糖も多く、腸内環境を整えてくれます。体の機能を正常に保つために必要なミネラル類の鉄分、カリウム、マグネシウムも豊富で、特に鉄分は牛乳の約10倍、マグネシウムは約2倍もあります。

 ところで、みなさんは豆乳には無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料の3種類があるのをご存知ですか。無調整豆乳は添加物の入っていない丸大豆を搾ったままのもので、味が濃厚。調整豆乳は、豆乳に甘味料・香料・植物油などを加えて飲みやすい味に加工したものです。

 また豆乳飲料は豆乳液に果実やコーヒー麦芽などを加えて風味をつけた飲料です。調整豆乳や豆乳飲料は飲みやすいのですが、みなさんが料理などで使う際には、ぜひ無調整豆乳を使っていただきたいですね。

レシピ「豆乳の冷製にんじんスープ」

夏バテ気味で食欲がないという人に、ぜひ作っていただきたいスープです。野菜+植物性たんぱく質の最強コンビ。前の日に作っておいて、朝ごはん代わりにすれば、1日元気に過ごせそうです。温かくてもおいしいのですが、冷やすと一層食べやすくなりますよ。

ポイントは生姜の隠し味。ほのかにピリッとした味わいと香りが楽しめますし、生姜が体を温めてくれるので、冷房などで冷えてしまった体にもピッタリです。

[材料 約4人前]
にんじん...1本
たまねぎ...1/2個
生姜...1片(親指の大きさ)
豆乳(無調整)...300ml
水...200ml
オリーブオイル...小さじ1
塩...小さじ1
こしょう...少々
パセリ...少々

[作り方]
  1. にんじんは無農薬なら皮付きのままで、たまねぎは皮をむいて薄切りにし、生姜は皮をむいて粗みじん切りにする。
  2. 鍋に入れオリーブオイルを熱し、1の生姜、たまねぎ、にんじんの順にを加えて弱めの中火で炒める。
  3. たまねぎが透き通ってきたら、水を入れて中火で野菜が柔らかくなるまで煮る。
  4. 火を止めて粗熱が取れたら、汁ごとミキサーにかけてピューレ状にする。
  5. 4を鍋に戻す(ミキサーの底のとれにくい部分は豆乳を入れて、薄めてから鍋に戻す)。豆乳を加えて温め、塩・こしょうで味を調える。
  6. 粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし、器に盛りパセリを飾る。
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材料の分量です(水と調味料は除く)


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(材料をスライス)
にんじん、たまねぎは薄切りにすると火が通りやすいです


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(煮た後ミキサーに)
野菜が柔らかくなったらミキサーへ。もし水分が足りなかったら、
少しずつ水を足しましょう


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(ミキサーにかけた後)
このようなとろりとしたピューレ状になります


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(完成)
野菜の甘みとうまみがたっぷり。野菜嫌いのお子さんにもおすすめです

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 今年は、あちこちに種蒔きや植樹に行ったことは前回(9回)書きました。日本の食料自給率が40%と先進国の中でも最も低いことについては危機感を持つ人が増えて、個人でも野菜を育てよう、という人も増えているようですね。(私もその一人ですが)

では、木材はどうでしょう?日本は国土の7割が森林で、これは世界有数です。ということは木材の自給率は高い!?と思い調べて見てビックリ。なんと、木材自給率は20%前後と食料よりさらに低い。1960年代頃は90%以上あった木材自給率は、64年の木材輸入自由化を境に低下の一途をたどって20%程度まで下がってしまった。つまり8割は輸入しているということです。

森林には、材木そのものの価値だけでなく、水源涵養や生物多様性などの価値もあります。森の中を歩くとセラピー効果もあるし。しかし、輸入木材に押されて山林の経済価値が下がった結果、森林の成長に応じて木を間引く「間伐」さえ十分にできない状態になってしまっているのです。日の入らない、うっそうとした間伐されない森にはヒョロヒョロの木が多く、根が浅く、表土も薄く、大雨が降ると倒れて土砂崩れを起こす山も少なくありません。

こんなことでは大変!と近年、森林を活用する様々な事業が行われるようになってきました。前回、事例として書いた森林ファンドのように、個人から小口で資金を集めて森を再生しようという動きもあります。また、森林酪農といって、森の中で牛を放牧し、搾乳した乳からアイスクリームや牛乳を商品化して販売するところも出てきました。


090706_1.JPG 山梨県西沢渓谷。森林セラピー基地に認定

森を再生させたい。もっと木を
そんな中、注目している団体があります。間伐材を活かした家具や雑貨作り、森林を訪ねるグリーンツアーや、森由来のカーボンオフセット事業などを手がける「more trees(モアツリーズ)」です。

 モアツリーズの代表は坂本龍一さんです。海外出張の多い坂本さんは、飛行機によるCO2の排出を色々なカーボンオフセットサービスを利用してオフセットしてきたそうです。また、古来より森を失った文明は全て滅びたという歴史に学び、文明を支え、CO2を吸収してくれる木を大切にし、世界各地の森を再生させたいとの思いから活動を発案したそうです。

 まずは、2008年3月、高知県檮原(ゆすはら)村で森づくり事業が開始しました。檮原村は、高知県の西部に位置し、人口約4,000人、森林が91%(うち杉を中心とした人工林が75%)を占める林業の町です。檮原村森林組合は2000年10月に日本で二番目のFSC認証を取得しています。森が吸収するCO2を定量化し、第三者機関による評価を経てカーボンオフセット用のクレジット(排出権)を創出しています。

事務局長の水谷伸吉さんは"地域とつながる3つのステップ"があると言います。1つめが「空気でつながる」。すなわちカーボンオフセット。森林の空気感が肌感覚で伝わることが、森への関心のきっかけになるといいます。2つめが「モノでつながる」で、間伐材グッズなど。著名な工業デザイナーである深澤直人さんデザインのベンチやステーショナリーなどグッズを開発・販売しています。そして3つめが「現地とのつながり」で、エコツーリズムなどで現地を訪問し、地域の人と交流し、森や自然に触れるというものです。

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再生材で作られた。10%が寄付される

飲料水も水源を気にしたい
私が住んでいる小田急線沿線では、小田急電鉄が今年5月に「箱根の森から」というペットボトル入りの水の販売を始めました。沿線住民にとっては、箱根の森が線路の先にある・・・というイメージはありましたが、この水を飲むたびに箱根の森の印象が強くなってきます。1本買うと1円が箱根の森に寄付されることにもなっています。ポスターには「あなたが飲むと、森がうるおう」というコピーがついていました。同じ水を買って飲むなら誰かの、何かの役に立ちたいですものね。わたしが潤うと、森も潤うわけですね。

ということで、水を買うときにはその採水地や、どんな社会貢献のしくみが付いているか、ぜひボトルをぐるりと見てみてください。また、家具や木製品を買うときには、国産かどうかもチェックしてみてください。私たちが森の恵みを暮しに取り入れることで、森を少しでも元気にすることができる!と思うからです。

※森林セラピー(西沢渓谷) http://forest-therapy.jp/modules/tinyd08/
※モアツリーズ http://www.more-trees.org/more-trees/introduction.html
※箱根の森から http://www.odakyu.jp/water/index.html