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2008年8月アーカイブ

今月のクローズアップ食材「味噌」

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日本人の私達が毎日のように摂っている、伝統食ともいえるもののひとつが「味噌」です。現代では味噌は調味料とされていますが、その昔は日本の食生活の重要なたんぱく源で、保存食としても利用されてきました。味噌の歴史は古く、製法は現在とは異なるものの奈良時代には既で食されていたといわれています。そして時代を経て、各地の風土・気候が反映され、熟成方法なども異なり、日本全国多種多様な味噌ができたのです。原料では米味噌、麦味噌、豆味噌と大別され、白味噌や赤味噌など色や味も様々です。

味噌が体にいいというのはみなさんもご存知ですね。「医者に金を払うよりも、味噌屋に払え」という江戸時代のことわざもあり、古くから健康食とされてきました。日本食ブームも手伝って欧米でも人気です。様々な研究の結果から、味噌には高血圧、脳卒中、糖尿病、脂肪肝、認知症などの予防効果、さらにはコレステロール抑制など生活習慣病予防にも効果のある成分が豊富に含まれていることがわかっています。1981年にはがん学会で、味噌汁を飲む回数が多い人ほど、胃がん死亡率が低くなるという調査結果が報告されています。

さて、みなさんは「手前味噌」という言葉を聞いたことがあるでしょう。これは自分で自分をほめることを意味することわざです。味噌は材料が少なく作り方が簡単で、その昔は各家庭で自家製味噌が作られていました。そして来客の際、「我が家の味噌がいちばん」と自慢したことから、このことわざが生まれました。

味噌の原料は大豆、米、食塩、そして麹ととてもシンプルです。味噌づくりの行程で一番重要なのは麹づくり。自家製味噌が作られていた頃は多くの家庭が、麹を専門に作る麹屋に米を持ち込んで麹を作ってもらっていたそうです。最近の市販の味噌は、品質保持のために、アルコール(酒粕など)やソルビン酸などの保存料や甘味料、調味料、栄養強化剤などの添加物が入っていることがあります。

味噌汁などで毎日のように摂取する味噌ですから、やはりその品質にはこだわりたいもの。ぜひとも無添加の味噌を選んでいただきたいです。

さらに今はスローフードの時代。安心・安全を重視するなら「手前味噌」を作ってみるのもいいでしょう。時間をかけて、熟成していく過程を見ていくのはなかなか楽しい作業。添加物を使用せず自分で作った味噌には安心感と愛着もあり、ひときわおいしいはずです。お子さんと一緒に作れば、食育にもつながります。

 
レシピ「鉄火味噌」

おいしい「薬」といってもいいほど栄養豊富な「鉄火味噌」を作ってみましょう。様々な野菜を細かく刻んで味噌と一緒にじっくり炒ります。みりんや唐辛子などの調味料を入れることもありますが、今回は味噌と野菜の本来のおいしさを味わってもらうため、味噌と野菜、少しのお酒のみで作ってみました。余りものの根菜が大活躍です。

炒るのに根気がいりますが、とても簡単。ぜひ時間のある時に作ってみてください。できあがった鉄火味噌は毎日のご飯のお供に、ふりかけて食べます。ご飯とともにゆっくり噛めば、滋味あふれるおいしさ。貧血、低血圧の人には特におすすめです。


[材料]

味噌(できれば赤味噌) ...100g
ごぼう...30g
にんじん...30g
れんこん...30g
長ねぎ...20g
生姜...10g
酒...大さじ1
ごま油...少々
※野菜の量はおよそでかまいません。お好みに合わせて調整してください。ナスや大豆もおすすめです。

[作り方]

1. ごぼうは皮をタワシでこすり、みじん切りにして水にさらしてアクを抜き、ふきんなどで水気をしっかりとる。にんじん・れんこん・生姜は皮をむいてみじん切りする(無農薬栽培のにんじんは皮ごと使ってください)。長ねぎもみじん切りする。

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材料の野菜はこのくらいの分量です


2. 鍋にごま油を熱し、1の野菜を炒める。香りが立ってきたら、味噌と酒を加え、ヘラなどで練るように炒め合わせる。

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野菜はすべて細かくみじん切りに


3. 弱火でじっくりと炒っていく。水分が抜けてふりかけのようにサラサラとしたら完成。

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約1時間炒り続けると、このようなサラサラの状態になります


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しっかり水分を飛ばして作った鉄火味噌なら、保存容器に入れて冷蔵庫で3?4週間持ちます


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塩分が強いので、ご飯茶碗1杯にふりかける量は小さじ1杯が目安です