食の健康の最近のブログ記事

takahashi.jpg  食べることもお酒を飲むことも好きな私は、「飲み過ぎたかな」という翌日の食卓にシジミの味噌汁がたびたび登場します。アツアツのシジミ汁はうまみたっぷりでホッとする味。肝臓にいいことで知られるシジミですが、他にも体にいい成分が豊富とのことなので、調べてみました。                        

  またシジミをおいしく味わっているときに、ジャリッとした砂があると、もう台無し。一気に気落ちして「もう身は食べたくない...」となっていまいます。シジミから出たダシだけでなく、身もおいしく食べるために砂出しのポイントも紹介しましょう。

 日本に生息するシジミには、ヤマトシジミ、セタシジミ、マシジミの3種類がありますが、一般に出回っているシジミの99%以上はヤマトシジミです。黒褐色で光沢があり、殻の内側は白色で、淡水と海水の混ざった汽水域の砂泥地に生息しています。島根県の宍道湖、青森の十三湖、千葉県の利根川河口が漁獲地として有名です。このヤマトシジミ、昭和40年代は「獲っても獲っても湧いて出てくる」といわれるほどの漁獲量だったとか。

 ところが近年は汽水域の汚染や開発、乱獲などにより著しく減少、最盛期の半分ほどになってしまっているそうで、中国などからの輸入が増えています。そこで現在は様々な資源保護方法が検討され、実施されています。

 シジミは良質のタンパク質やビタミンB2、B12、さらに鉄、カルシウム、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。特にビタミンB2とビタミンB12の含有量は貝類の中で一番。では「肝臓にいい」といわれているのはなぜでしょう。弱ってしまった肝臓は、良質のたんぱく質で修復されます。そのときビタミンB12が修復、再生を助けます。また亜鉛やビタミンB2もたんぱく質の合成の手助けをします。様々な成分が協力し合って、肝臓の機能を回復してくれるというわけです。

 さらにシジミの鉄分は免疫力を高め、粘膜を丈夫にしたり、造血作用もあります。またあさりの2倍もあるカルシウムは、精神安定や骨粗しょう症を予防します。亜鉛はインスリンの構成成分でもあるため、糖分の代謝を活発にしてダイエット効果も期待できます。
 シジミのうまみ成分の中心はコハク酸。真水ではなく塩水で砂出しすると、このコハク酸が増えます。さらに砂出しをした後で、一晩冷凍庫に入れると、水分が膨張して細胞組織が壊れ、細胞組織の中に閉じ込められていたコハク酸が出やすくなります。冷凍するといっそうおいしくなるというわけです。調理の際は、凍ったまま加熱するだけでOKです。

 ではシジミの砂抜きの方法です。まず1%の濃度の塩水を用意します。平たいざるの下にバットを敷いて、ざるの上にシジミ同士が重ならないように入れます。これではいた砂がバットの上に落ち、再び砂を吸い込むことがありません。そしてシジミの頭が少し出るくらいまで塩水を入れます。これは貝が窒息しないため。暗い環境にすると活発に砂をはくため、新聞紙などをかけるといいですね。冷蔵庫には入れず、室内で3時間から一晩置きましょう。

            レシピ「シジミの紹興酒蒸し」

 私の好きな台湾屋台料理のひとつに「シジミの紹興酒漬け」があります。生のシジミを紹興酒を使ったタレに漬け込んで、タレを吸ったシジミを食べるというものです。今回はこれをアレンジ。火を通しているので安心なうえ簡単な「紹興酒蒸し」を作ってみましょう。ポイントはシジミを蒸しすぎないこと。蒸している間はシジミから目を離さず、殻が開いてきたシジミから順に、すかさずタレに漬け込みます。こうするとシジミの身がふっくらしたまま、うまみが逃げません。もちろん栄養もしっかり身に残っています。

[材料約 2人前]
シジミ...200g
赤唐辛子(生)...1本
にんにく...1片
しょうが...1片
紹興酒...200ml
しょうゆ...大さじ1
ごま油...小さじ1
香菜...1束

[作り方]
1.砂抜きしたシジミ(本文参照)の殻をこすり合わせるようによく洗う。
2.赤唐辛子は小口切り、にんにく・しょうがはみじん切りにしてボウルに入れる。
3.2のボウルにしょうゆ、ごま油を入れて混ぜ合わせ、漬けダレを作る。
4.フライパンにシジミと紹興酒を入れて中火にかける。
5.殻が開いたシジミから順に漬けダレに入れていく。
6.すべてのシジミを漬けダレに入れたら、フライパンに残った紹興酒も漬けダレに入れ、ひと混ぜする。
7.器に盛って、粗みじん切りした香菜を飾る。

 

砂抜き.JPG

                  (シジミの砂抜き)
粒が大きめのシジミがおすすめ。バットとざるを重ねて砂抜きをします

 

漬けダレ.JPG                    (漬けダレ)
赤唐辛子は特に種が辛いので、辛いのが苦手な人は種を取り除いて入れましょう

 

シジミをタレに漬け込む.JPG                (シジミをタレに漬け込む)
ひと混ぜすればすぐに食べられますが、この状態で一晩置くとさらに味がしみておいしくなります

 

しじみ完成.JPG                     (完成)
調味料はシンプルですが、うまみたっぷり。シジミのおいしさが存分に楽しめます
 

|

takahashi.jpg

  雑穀とは、一般的にきび、あわ、ひえといった白米以外の穀物のことをいいます。最近では食材としてすっかり定着しましたね。数種類の雑穀がブレンドされた商品も数多く、雑穀が手軽に試せるようにもなりました。お米に混ぜて炊けば、毎日の主食の栄養価がぐんと増しますね。
  日本では昔から雑穀を主食として食べてきましたが、戦後になると白米が一般的になり、雑穀は敬遠される傾向が強まりました。しかしここ数年、生活習慣病がクローズアップされ、「食生活の見直し」を考える人が増えたことで、栄養価の高い雑穀が注目されるようになったのです。
  雑穀のいいところは第一に食物繊維が豊富なこと。食物繊維は便秘の解消、血液中のコレステロールを減らすなどの効果があり、様々な病気予防につながります。また雑穀は腸の中でゆっくりと消化されるため、血糖値の上昇を抑えてくれます。白米よりも噛みごたえがあるため、よくかむ習慣も身に付き、満腹感を得やすいのでダイエットにも効果的です。

では主な雑穀の特徴をみてみましょう。

〔きび〕きびは食物繊維のほか、鉄分、カルシウム、マグネシウムが豊富。動脈硬化の予防に効果があります。一般的に使われる「高きび」は、調理するとコクと粘りが出るので、ハンバーグや肉団子などのひき肉に混ぜれば、ヘルシー料理になります。

〔あわ〕ビタミン、ミネラル、鉄分が豊富。マグネシウム、カルシウムも含まれているので骨や歯の発育を手助けしてくれます。上品な甘みがあり、古くからお菓子の材料に使われてきました。

〔ひえ〕日本で最も古くから食べられているといわれる雑穀です。ミネラル・食物繊維が豊富で、食物アレルギーのある人でも比較的安心して食べられます。パサつきやすいですが、白米に混ぜて炊くと食べやすくなります。

〔黒米〕黒米の黒色は、アントシアニンというプリフェノールの一種。活性酸素を除去し、動脈硬化を防ぎます。食感と香ばしさが楽しめ、黒米を白米に混ぜて炊くと赤色になってお赤飯のようです。

〔押し麦〕大麦を蒸気で加熱してローラーでつぶしたものです。食物繊維は白米の20倍。弾力のある食感が魅力で、消化吸収が早い雑穀です。
 

  さて、数ある雑穀の中で私が強くおすすめしたいのが、「アマランサス」。アンデス原産で、1ミリ以下のとても小さな粒です。でも小粒ながら、その栄養価は雑穀の中でもトップクラス。カルシウムは白米の32倍もあり、鉄やマグネシウムは白米の約13倍もあります。さらにビタミンB2や葉酸も豊富。しかも調理がしやすく、プチプチした食感が楽しめます。今回のレシピでは、このアマランサスを使った料理をご紹介しましょう。

          レシピ「イカと春菊のアマランサスドレッシングサラダ」

  アマランサスは10分ほどゆでれば、すぐに食べられてとてもお手軽。小粒という特性を活かして、ドレッシングにしてみました。具にも絡みやすく、とにかく食感が楽しいのです。今が旬の春菊は葉が柔らかく、サラダにするとえぐみも少なくておいしい。たっぷり作っても、あっという間に食べきってしまいますよ。今回のサラダには茎の部分は使用しませんが、こちらは細かく刻んで味噌汁の薬味にするなど、残さず使ってくださいね。

[材料約 2人前]
春菊...1/2袋
イカ(生食用 やりいか・もんごういかなど)...100g
アマランサス...12g
ゆずの皮...少々
しょうゆ...大さじ1
ごま油...小さじ2
酢...小さじ2
塩...少々

[作り方]
1. 春菊は葉の部分だけ手で摘み取り、冷水で洗いざるに上げておく。イカは薄い短冊切りにする。
2. アマランサスは10分ほどゆでて、茶漉しに開けて水気を切る。
3. 容器(コップ、小さめのボウルなど)にアマランサス、ゆずの皮の千切り、しょうゆ、酢、ごま油を入れて、よく混ぜる。塩で味を調整してドレッシングを作る。
4. 大きめのボウルに春菊の葉とイカを入れ、3のドレッシングを混ぜながら加える。
5. ボウルの中であえる。

 

アマランサス.JPG                                        (アマランサス)
                一粒は1ミリ以下。栄養がたくさん詰まったアマランサス

 

春菊.JPG                                               (春菊)
  春菊もカルシウム、鉄分が豊富。アマランサスと相乗効果が期待できます

 

茶漉しで水切り.JPG

                                         (茶漉しで水切り)
小さい粒なので茶漉しが便利。わずか10分ほどで火がとおり、透明感が出ます

 

ドレッシング.JPG                                          (ドレッシング)
               アマランサスドレッシングの完成。どんなサラダにも合います

 

 2月の食材完成1.JPG

2月の食材完成2.JPG                      (完成)
    ほんのり苦味があって味わい深い、栄養たっぷりの冬サラダです

|

takahashi.jpg    定番の文句ですが、みなさんはお正月に餅を何個食べましたか?  お正月に食べる餅といえばやはり雑煮。雑煮は各地、各家庭でそれぞれ違いますね。我が家はかつおだしのしょうゆ仕立てで、しいたけとかまぼこ、鶏肉を入れて卵とじにして、三つ葉とゆずをトッピングするシンプルな雑煮です。餅はしっかり焼いて、お椀に入れだし汁を注ぎます。こうすると餅が煮崩れず、だし汁もにごりません。

  みなさんのご家庭はどんな雑煮でしょうか。餅の形も各地で異なりますね。一般的に東が四角く、西は丸い。ただし北海道は明治の開拓時代の出身県により、地域ごとに異なるそうです。

  さて、日本の餅の歴史は古く、奈良時代に、平城京に各地から餅が送られたという記述があります。平安時代には京都で餅屋を専門に商売として生活する人もいました。さらに鎌倉時代になると、餅が様々な儀式に用いられるようになり、室町時代の茶道の発達とともに、餅菓子としても利用されるようになりました。そして江戸時代には一般化し、年中行事で餅菓子が使われ、諸国の街道筋で名物の餅が売られたそうです。

  この餅という言葉、由来には様々な説があります。例えば、腹にもたれるという意味の餅飯(もちいい)や、望月(もちづき)の望であるとの説も。望月とは満月のこと。満月のような円の形は円満の象徴と考えられていたため、太陽や月を尊祟し、祭りなどのたびに太陽や月になぞらえて餅の形を円にして、望月からとって「もち」と発音したりするようになったのではないかというものです。この説からすると、西で食べられる丸餅は日本古来の風習を残しているといえるでしょう。一方、東の四角い切り餅は、武士が戦場に持って行った携帯食であったといわれています。

  餅はアジア各地でも食べられています。ただし中国で餅(ピン)といえば、小麦粉をつかった製品の総称。一般的な餅状の食品は「カオ」といって米、アワ、豆、キビなど小麦以外の穀粉をこねて蒸したものです。また朝鮮半島の餅は「トク」で、様々な作り方があるようです。ミャンマーには、赤米で作られた丸餅があります。杵でつくたびに手水の代わりに蜂蜜入りのピーナッツ油を混ぜるため、甘いのが特徴です。

  餅の主成分は糖質で、体内でエネルギー源になります。ごはんと比べると、同じ量でも餅のほうが高エネルギー。ですので、おいしいからと食べ過ぎないよう注意です。私のおすすめは玄米餅。餅独特の伸びるような粘りは少ないのですが、香ばしく味わいがあり、玄米のプチプチとした食感が楽しい。なにより栄養豊富で、胃もたれもしにくいのです。玄米ご飯が苦手な人も、餅なら食べやすいので、ぜひお試しください。

                            レシピ「玄米餅のトマト雑煮」

  さまざまな食べ方のあるお餅ですが、今回は洋風の雑煮を作ってみましょう。野菜は、根菜や葉野菜、きのこなど、ストックしているものをいろいろ使ってみてください。魚のタラを使いましたが、お子さんがいるご家庭なら、ミートボールやソーセージを入れてもいいですね。大根もたっぷり使ってみました。トマト味ですが大根の甘みが意外に合いますよ。お正月のお餅があまっていたらぜひ作ってみてください。消化もいいので、お正月に食べ過ぎてしまった人にもおすすめです。

[材料 3人前]
玄米餅(切り餅)...3枚
大根...200g
にんじん...中1/2本
玉ねぎ...小1個
グリーンピース(缶詰でも可)...40g
イタリアンパセリ...2本
タラの切り身...1切
スープストック...800ml
白ワイン...50ml
トマトピューレ...150g
オリーブオイル...大さじ1
塩・こしょう...適量

[作り方]
1. 大きめの鍋にオリーブオイルを入れ玉ねぎのみじん切りを炒める。
2. しんなりしてきたら、スープストック、白ワインをそそぎ、1㎝角に切った大根とにんじん、ひと口大に切ったタラ、グリーンピースを入れて柔らかくなるまで煮る。
3. 玄米餅は1/2に切り、オリーブオイル少々を入れたフライパンで、両面に焼き色がつくまで、何度かひっくり返しながら焼く。
4. 2にトマトピューレを加えてかき混ぜ、再び煮立ったら塩、こしょうで味を調整する。
5. 4をスープ皿に4をそそぎ、3の餅を乗せてイタリアンパセリをちぎって飾る。

 

玄米餅.JPG                                            (玄米餅)
           このトマト味の雑煮には、白い餅よりも玄米餅のほうが合うんです

 

 

お餅材料カット.JPG

                                          ( 材料カット)
        野菜を小さめに切りましょう。雑煮とはいえ、食べるスープの感覚です

 

 

焼いた餅.JPG                                           (焼いた餅)
             オリーブオイルで玄米餅を焼くと、香ばしさが引き立ちます

 

 

餅完成.JPG

                                               (完成)
   エネルギーになるうえ野菜がたっぷり取れるので、ぜひ朝ごはんにもどうぞ

|

takahashi.jpg  1年中食べることができるけれど、冬になると一層おいしくなる野菜といえばねぎ。ねぎは寒さに当たると太く、柔らかくなり、甘みや風味が増すからです。とりわけ冬に旬を迎えるのは、根深ねぎといわれる種類。根深ねぎとは一般に長ねぎや白ねぎと呼ばれるもので、葉ねぎ(青ねぎ)と大別されます。

   東日本では根深ねぎ、西日本では葉ねぎが好まれて食べられてきましたが、近年は東日本、西日本の好みの差は次第になくなってきています。根深ねぎは、土をかぶせて白い部分を長く育てたもので、深谷ねぎや下仁田ねぎなどの種類があります。今回は、冬にたっぷり食べたい長ねぎをクローズアップして紹介しましょう。

  冬に出番の多くなる鍋料理、そばやラーメンなどの麺類など、長ねぎなしでは味気ないものになってしまう料理は多数ありますね。肉や魚の臭みを取ってくれるうえ、食欲増進や料理の彩りとしても大活躍。長ねぎは存在感たっぷりの名脇役といえるでしょう。その他、煮物や炒めものなど、長ねぎが登場する料理はたくさん。いつも家庭にある野菜のひとつといっていいかもしれませんね。

  ねぎの原産地といわれている中国では「体を温め、疲労を回復する薬用植物」とされてきました。ねぎ特有の辛みとにおいのもとは硫化アリルという成分で、ビタミンB1の吸収を助ける役目をするものもあります。

  また風邪をひいた時に焼いた長ねぎをくるんだ布を首に巻くと症状を鎮めるといわれていますね。長ねぎがのどの痛みや咳、鼻水の症状をやわらげてくれる働きがあるとされているからです。その他にも体を温め、新陳代謝を活発にしてくれるなど、あの長細い容姿には、うれしい効果が詰まっているのです。長ねぎの青い葉の部分もビタミンやカロチンが豊富なので、捨てずに食べていただきたいですね。葉の中のぬめりが気になる場合は、包丁の背などでしごいて取ってください。

  この時期、長ねぎをたっぷり食べたいなら、「焼きねぎ」がおすすめ。焼くことで長ねぎの甘みがいっそう増すからです。フライパンやグリルで表面を香ばしく焼いたら、そのまましょうゆやポン酢をつけて食べるのもいいし、マリネにしておけば保存もできます。

  最後に、長ねぎを選ぶときは、白い部分と青い部分がはっきりと分かれていて、色つやがきれいでよくしまり、張りのあるものがおすすめです。保存の際は新聞紙に包み、冷暗所に立てて置きましょう。また冬は泥つきのねぎも多く出荷される時期。泥つきならそのまま土に埋めておくと、長持ちしますよ。

               レシピ「長ねぎとスモークサーモンのキッシュ」

  長ねぎというと和の料理を連想させますが、実は洋風にも合う食材。グラタンやパスタなどに向いています。今回はキッシュを作ってみましょう。長ねぎの甘みを存分に引き出したメニューです。実はこれは、ケーキ作りがプロ級にうまい友人から伝授されたレシピを参考にしたもので、キッシュの台づくりがとてもカンタン! 生地を混ぜたりこねたりする必要がまったくないのです。お客さんを招くことの多い季節、このキッシュをメニューに加えたら、きっと喜ばれるはずですよ。

[材料 半径22㎝の台1個分]
小麦粉...200g
溶かしバター...100g
長ねぎ...1本
スモークサーモン...80g
卵...2個
牛乳...100ml
生クリーム...100ml
パルメザンチーズ...大さじ2
サラダ油...少々
塩...少々

[作り方]
1. 大きめの密閉容器に小麦粉、塩少々を入れ、中心にくぼみを作り、水大さじ4と溶かしバターを入れ、しっかりとフタをして30回上下左右に振る。
2. ふたを開けて、まとまっていなくても周りをこそげ取りながら取り出し、丸くまとめる。(※ここでこねてはいけません!)ラップに包んで冷蔵庫で1時間寝かす。
3. フライパンにサラダ油を熱し、小口切りにした長ねぎを入れて、しんなりするまで炒める。
4. ボールに卵、牛乳、生クリーム、パルメザンチーズ、塩を入れてよく混ぜ合わせる。
5. 冷蔵庫から2を取り出し、台に均一に広げて180℃に熱したオーブンで20分焼く。
6. 5をオーブンから取り出し、粗熱が取れたら、3のネギと食べやすいサイズに切ったスモークサーモンを均一に乗せていく。
7. 4を注ぎ入れ、180度に熱したオーブンで30分焼く。

 

長ねぎ.JPG

                                               (長ねぎ)
   白い部分と青い部分がくっきり。太くてツヤのあるおいしそうな長ねぎです


密閉容器の生地.JPG                              (密閉容器の生地・丸めたところ)
振った後はこのようにまとまっていなくても大丈夫。なんとなく丸くしてラップに包みます

 

焼いた後の台.JPG

                                         (焼いた後の台)
           こねない理由は、サクサク生地にするため。ここがポイントです

 

長ねぎとサーモンを乗せる.JPG                                (長ねぎとサーモンを乗せる)
 長ねぎとスモークサーモンは相性抜群。スモークサーモンの塩分が強い場合は塩を控えめに


 

焼き上がり.JPG

                                           (焼き上がり)
    表面に焼き色が付いて、ちょっと押してみて弾力があれば完成です


 

カット.JPG

                                           ( カット)
        紅茶と一緒にティータイムに、ワインと一緒にいただくのも格別

|

takahashi.jpg  日増しに寒くなっていく今日この頃。この時期は体がなれていないせいか、寒さが堪えます。毎年「この冬を乗り越えられるのか」とさえ思ってしまうのは、私だけでしょうか(おそらく、年齢のせいもあるのでしょう)。服を重ね着したり、仕事中もひざにブランケットをかけたりして、外から体を温めるのですが、やはり芯からは温まりません。そんなとき、辛い料理でホカホカになりたいと思うのです。そこで今回は、唐辛子をクローズアップしてみることにしました。

  唐辛子の名前は「唐」から伝わった辛子という意味です。ただし中国に唐辛子が伝わったのは17世紀前半で、唐ではなく明の時代。実は日本への渡来の方が先だったようで、当時は唐から来たものでなくても、唐の名前を付けることが多かったようなのです。また、南蛮から伝わった「南蛮辛子」、辛子の部分を省略して「南蛮」と呼ばれることもありますね。実際には、唐辛子は朝鮮半島から渡ってきたという説が強いようです。

  一般に唐辛子といってもその種類はいろいろ。日本産で最も辛みが強いとされているのは「熊鷹」という赤唐辛子の品種で、その多くは乾燥させて香辛料として使われます。またしし唐(獅子唐)も唐辛子の一種。食べていくと時々辛い実に当たって、眉をひそめた経験は誰にでもあるでしょう。その他、京野菜で辛味のない「伏見甘」や「万願寺唐辛子」もあります。

  ただし日本では現在、市場に出回っている唐辛子の約9割を輸入に頼っています。外国産も各国、種類豊富です。小粒で辛い「カイエン」はタバスコの原料や、粉状にしてカイエン・ペッパーとして利用されています。近年、話題の「ハバネロ」は、オレンジ色で丸みがあり、世界一辛いといわれていますね。主にピクルスになる「ハラペーニョ」や「セラーノ」、辛いタイ料理に欠かせない小粒の「プリッキヌー」、同じく辛い料理の多い中国・四川原産の「朝天辣」などもあります。

  唐辛子の辛さの正体は「カプサイシン」という成分。唐辛子を食べて体が温まるのは、カプサイシンが血行をよくして、発汗を促すからです。また食欲を増進させたり、脂肪を燃焼させて肥満を予防する効果もあるといわれています。その他、炭水化物の消化も助けてくれたり、免疫力の向上、殺菌効果などもあります。唐辛子を食べることで塩分に対する味覚が高まるため、料理の塩分を控えられるというメリットもありますね。ただし過剰摂取は禁物。味覚が麻痺したり、胃の粘膜を傷つけたりするので、ほどほどに。

  最近ではカプサイシンを繊維に練り込んで体を温める下着や靴下も製品化されていますね。わざわざ買わなくても、唐辛子を砕いて袋に詰めて靴下に入れるだけでも温まるとか。この冬は唐辛子で、内からも外からも温まりましょう。

                    レシピ「クイティアオ・ナーム(タイ風汁麺)」

  乾燥の唐辛子は保存が効いて便利ですが、生の唐辛子は香りと甘みがあります。でも使いきれず、もてあましてしまうことも多いですね。そんなときは、自家製調味料を作りましょう。唐辛子のヘタを取って、漬け込むだけの簡単調味料。どれも様々な料理に活用できます。ポイントは唐辛子が空気に触れないようにしっかりと浸すこと。これで生の唐辛子でもカビることはありません。中身が減ってきたらまた継ぎ足して、唐辛子の味わいがなくなるまで使えます。

●  唐辛子&オリーブオイル...にんにくを足して調理すれば、パスタ料理の定番「アーリオ・オーリオ・ぺペロンチーノ」が作れます。できあがったパスタやピッツァ、肉・魚料理にひとかけすれば、コクが深まります。

●  唐辛子&酢...特にラーメンなど麺料理におすすめの調味料。タイの屋台では、唐辛子をつけた酢が卓上に常備されていて、これをかけて麺料理の味を調整して食べます。またから揚げなどの揚げ物などにひとかけすると、さっぱりといただけます。

●  唐辛子&泡盛...沖縄の食堂に行くと卓上に置いてある調味料「コーレーグース」の作り方と同じ。ただし正確にはコーレーグースは沖縄原産の小粒の「島唐辛子」という種類で作られます。沖縄そばにかける他、ゴーヤーチャンプルーの仕上げや、カレーや鍋料理のアクセントにもおすすめです。

  唐辛子&酢をかけると、一気ににアジアンテイストに変身する、タイ屋台料理の定番「クイティアオ・ナーム」を作りましょう。クイティオアとは米を使った麺料理のことで、ナームは汁あり麺のこと。汁なしは「クイティオア・ヘン」といいます。今回はセンレックという中細麺を使用しますが、タイの屋台では麺の種類が選べます。

[材料 2人分]
乾燥米麺(中細のセンレック)...90g
鶏のスープストック(市販の鶏がらスープの素を使用しても可)...600ml
にんにく...1片
香菜(コリアンダー)...2本
もやし...1/2袋
ナンプラー...大さじ2
砂糖...小さじ1
塩...少々
こしょう...少々
サラダ油...小さじ1
唐辛子&酢...適量

※好みで魚のすり身団子、かまぼこ、揚げワンタン、厚揚げ、ゆでたエビなどをトッピングしましょう。

[作り方]
1. 鍋にサラダ油、にんにくと香菜の根の部分のみじん切りを入れて炒め、少し色づいて香りが出てきたらスープストックを加え煮立たせる。
2. 乾燥米麺はぬるま湯に2分くらい浸して固めに戻し、水気を切る。
3. 1にナンプラー、砂糖、塩、こしょうを加えて味を調える。
4. 別のなべにたっぷり湯を沸かし、2の米麺ともやしを入れて30秒温め、丼に盛り、3のスープをかける。
5. 香菜をちぎって乗せる。
6. 食べるときに唐辛子&酢を少しずつかけて、混ぜ合わせ、好みの味に調整する。

 

調味料3種.JPG

                   (調味料3種)
長野県諏訪郡原村で生産された唐辛子で作りました。左から唐辛子&オリーブオイル、唐辛子&酢、唐辛子&泡盛

 

乾燥米麺.JPG

                    (乾燥米麺)
       タイの米麺は輸入食材店やスーパーでも手に入ります

 

香菜.JPG

                      (香菜)
タイ名はパクチー。根の部分は捨てずに、みじん切りにして加えるのがポイント。よい香りのスープになります

 

 完成①.JPG

                      (完成)
イワシのつみれをトッピングしてみました。唐辛子&酢を少しずつ入れて味をみましょう。甘み・酸味・辛みがおいしさです
 

|

takahashi.jpg  11月ごろから旬を迎え、おいしくなるこぼう。きんぴらごぼう、筑前煮や八幡巻きなど、ごぼうは日本料理には欠かせない食材ですね。ところがごぼうを栽培して、食用として好んで食べているのは、世界中で日本だけなのだとか。韓国ではわずかに食べられているそうですが、中国ではごぼうは薬とされています。

  特に欧米人の好みに合わないらしく、「日本人は木の根を食べる」と驚くそうです。料理をして食べたらおいしいのに、もったいないな...と感じます。例えばけんちん汁にごぼうが入っていないと、なんだか物足りない。ごぼうが入ることによって、ごぼうの味を楽しむだけでなく、全体のコクと香りがぐっと深まりますよね。ごぼうを食べる日本人でよかった、と思います。

  昨年の11月頃のこと。以前中華料理店で、ごぼうの乗った麺料理(メニュー名は忘れてしまいました)を注文したところ、麺の上に軽くたたいた大き目のごぼうがゴロゴロと乗っていました。しかも皮がしっかり取られていなくて、けっこう茶色い。一見、硬そうな感じがしましたが、軽くゆでてあるのでしょう。食べてみるととても柔らかく、香りがたまらなくいいのです。薄い塩味で、麺にも合う、ホッとするおいしさでした。

  おいしかった理由は、皮が残っていたからなのです。ごぼう本来の味や香りは皮に多く含まれています。ですから、ごぼうを調理するときは、皮をむかずにタワシでこするだけで十分。真っ白にする必要はありません。刻んだら酢水にさらしてアクを抜くのですが、あまりつけ過ぎると風味が抜けてしまいます。また新鮮なごぼうで、すぐに加熱調理するのであれば、アクを抜かなくても大丈夫です。

  あのごぼうならではの歯ごたえをつくっているのは、炭水化物の一種のイヌリンと繊維質のセルロースで、含有量は野菜の中でトップクラスだとか。どちらも整腸作用があり、便通をよくしてくれます。またイヌリンは体の老廃物を分解し、腎臓機能を高め、利尿、むくみをとり、血液もきれいにしてくれます。ごぼうは"体のお掃除"をしてくれる食材なのですね。

  ごぼうの旬には、ぜひ洗いごぼうではなく、泥つきのごぼうを買っていただきたいもの。その理由は前述のように皮がついているため、味と香りがいいからです。また細めでひび割れやしわがなく、ひげ根の少ないものを選びましょう。乾燥させないようにして、泥つきごぼうは新聞紙に包み、冷暗所で保存します。香りが失われますので、購入後はなるべく早めに食べてくださいね。

                           レシピ「パリッとごぼうチップス」

  見た目も茶色くて、独特のクセがあるごぼうが苦手というお子さんも多いと思います。そんなお子さんのおやつに、みんな大好きなポテトチップス代わりに、ごぼうチップスを作ってあげてはいかがですか。独特のクセが薄れて食べやすくなり、香りがより引き立ちます。こぼうが苦手なお子さんも、きっと喜んでくれるはずです。レシピでは子供から大人まで楽しめるように、4種類の味付けにしてみました。唐辛子や黒こしょう味は、おつまみにもよさそうですね。切って揚げるだけだからカンタン。料理で余ってしまったごぼうもささっと揚げて、残さず食べてくださいね。

[材料]
ごぼう(できれば泥つき)...1本
塩...小さじ1/2
カレー粉...少々
粗挽き黒こしょう...少々
一味唐辛子...少々
パルメザンチーズ(粉)...少々
揚げ油...適量

[作り方]
1. 泥つきごぼうは洗ってタワシでこする。
2. 斜め薄切りにして、水にさらし、すぐにざるにあげて布巾で水気を取る。
3. 揚げ油を熱し、中温(約170℃)でごぼうを素揚げにする。
4. 揚げ油の泡が消えて、ごぼうがパリッとなったら取り出し、油をよく切る。
5. 全体に塩をまぶした後4等分し、それぞれにカレー粉、黒こしょう、一味唐辛子、パルメザンチーズをまぶす。

 

ごぼう.JPG

                                                (ごぼう)
これからの季節に出まわる泥つきごぼう。細めのほうが柔らかくておいしいです

 

たわしでこする.JPG

                                (タワシでこすった後のこぼう)
        タワシでさっとこするだけで十分。皮においしさがあるんですよ!

 

スライス.JPG

                                          (スライス後)
                 スライスして水にさらしたら、水気をよく取ってください

 

 

ごぼう完成.JPG

                                              ( 完成)
上の左側が黒こしょう味、右側が唐辛子味、下の左側がパルメザンチーズ味、右側がカレー味です

                                                             

|

takahashi.jpg   今月は、郷土食をピックアップしてみました。食欲が落ちたときでもツルッとおいしく食べられる宮城県の白石地区で作られている白石温麺(しろいしうーめん)です。ひやむぎのような白い麺で、大きな特徴は長さ10cmくらいと短いこと。その理由を探ってみましょう。

   宮城県白石市は伊達政宗の重臣、片倉小十郎景綱(かたくらこじゅうろうかげつな)公の城下町として栄えた歴史があります。俳人松尾芭蕉が奥の細道をたどった元禄年間の物語に、このようなものがあります。

   「今から400年ほど前の昔、白石城下に鈴木右ェ門という人がいました。右ェ門の父は胃を病んで床に伏し、何日も絶食しなければなりませんでした。右ェ門は大変心配し、何かよい食餌療法はないかと八方手を尽くしていたところ、旅の僧から油を一切使わない麺の製法を教わりました。さっそくそれを造り、温めて父にすすめたところ、父は快方に向かい、やがて全快したということです。

  小麦粉を塩水でこねて造るため、舌ざわりがよく消化もよく、胃にやさしいため回復を早めたのでしょう。この親孝行の話が時の殿様に伝わり、献上したところ、親への温情心を讃えられ「温麺」の称が与えられました。その後、近隣からも所望され、後に白石特産品として製造されるようになりました(参考 奥州白石温麺協同組合)」

   蔵王を水源とする白石川が白石の街中を流れているため、きれいな水が豊富というのも、温麺づくりが盛んになった一因だといいます。私はこの話を知るまで、「温麺」が「温かくして食べる麺」のことだと思っていたのですが、「親思いの温かい心から生まれた麺」という意味だと知ると、ますますこの麺が好きになりました。

   確かに白石温麺は、胃腸が弱っている人に食べてもらいたい麺なのです。素麺は作るときは油を使いますが、白石温麺は油を使っていないので胃への負担が軽減されます。しかも他の麺よりも短いので、体力を消耗している人にも食べやすいのです。病気の人だけでなく、麺をすするのにまだ慣れていないお子さんにも向いていると思いませんか。

   白石市に行くと、街のあちこちで白石温麺が食べられます。東北新幹線の「白石蔵王駅」には展示場もあり、白石温麺もお手ごろな価格で食べられます。地元では冷やしてくるみやゴマのつけつゆで食べたり、温かくして野菜たっぷりのけんちん汁で食べたりするそうです。冷やし中華やサラダ麺のように、様々な具材を乗せてかけ汁をかけて食べてもおいしそうですね。

  白石温麺は、宮城県以外でもデパートや大きなスーパー、宮城県のアンテナショップ、ネット通販でも購入可能です。ぜひお試しを。

                            レシピ「なすときのこたっぷり温麺」

  旬のなすときのこを使って、温かい温麺を作りましょう。ごま油でじっくり炒めればコクもしっかり。白石温麺はゆで時間が短いので、手軽に作れるのも魅力です。レシピの材料に載せているものの他、えのきだけやなめこなどもおすすめ。大根、にんじん、ごぼうなどの根菜を入れて具だくさんにしてもいいですね。

  食べ物がおいしくなる秋になりました。夏バテで落ちてしまった食欲を取り戻そうと食べ過ぎると胃腸が疲れてしまいます。時にはこんなメニューで、胃腸を休ませてあげてください。

[材料 2人前]
白石温麺...2束(200g)
しいたけ3枚
まいたけ...1/2パック
しめじ...1/2パック
なす...2本
長ねぎ...1/2本
ごま油...大さじ1
カツオ節と昆布のだし汁 700ml
キビ砂糖...小さじ1
しょうゆ...大さじ2
塩...小さじ1
酒...大さじ2
おろし生姜...少々

[作り方]
1. しいたけは薄切りに、しめじとまいたけは石突を切って食べやすい大きさの小房にする。
    なすは縦半分に切ってから斜め薄切りに、長ねぎは斜め薄切りにする。
2. 鍋にごま油を入れて熱し、なす、しいたけ、まいたけ、しめじを入れて、弱めの中火で水分が出てしんなりするまでよく炒める。
3. だし汁と酒を入れ、アクを取りながら煮て、キビ砂糖、しょうゆ、塩で調味する。
4. 大きめの鍋にお湯をたっぷりと沸かし、温麺をパラパラとほぐしながら入れ3分ゆでる。
5. すぐにざるに移し、冷水でぬめりを取りながらよく洗い、水切りをする。
6. 3にゆでた温麺と長ねぎを入れ、ひと煮立ちさせる。
7. 器に盛り、おろし生姜を添える。

 

白石温麺.JPG

                                              (白石温麺)
             白石地区の製麺所各社から、様々な白石温麺が造られています

 

 

使用する野菜.JPG                                            (使用する野菜)
               季節のきのこをたっぷり使いましょう。いいダシが出ます

 

 

材料カット.JPG

                                              (材料カット)
                     食べるとき、具材がそばに絡まるように切ります

 

 

炒めた野菜.JPG

                                        (炒めた野菜)
        ごま油でしっかりと炒めると、かさが炒める前の1/3ぐらいになります

 

ゆでた温麺.JPG

                                       (ゆでた温麺)
             しっかりと洗ってぬめりを取ると、ツルッと舌触りのいい麺に

                                      

 完成.JPG

                                                 (完成)
  温麺2束はたっぷり大盛りの2人分。小食の人なら2束で3人分でもいいかもしれません
 

|

takahashi.jpg みなさん、夏バテが残っていませんか。私はまるで子供のようで情けないのですが、夏の間冷たいものを食べたり飲んだりし過ぎたのか、お腹の調子が不安定。この時期は夏の疲れが胃腸にくる季節でもありますね。そんな時、お腹の調子をコントロールしてくれるのが「寒天」です。寒天料理は透明感があって涼しげで、まだまだ暑い季節に合う食材です。

 寒天の原料には天草とオゴノリといった「紅藻」と呼ばれる海草が使われていて、寒天になるまでには多くの時間と手間がかかっています。まず海草の不純物を取り除いて、何日もかけて清水にさらして塩気やアクを抜きます。そして大きな釜で混ぜながら煮ていき、海草を搾って寒天液を抽出し、モロブタという木型に流し入れ、冷やして固めたのが「ところてん」です。これをところてん突きなどで細く整形したものが糸(細)寒天に、長四角形に切ったものが角(棒)寒天になります。

 12~2月に戸外の干し場に並べ、夜間は凍結させ、10日〜2週間もかけて日中に融解、乾燥を繰り返すうちに寒天になるのです。雨や雪で濡れないよう、注意深く作られていく寒天。日本ならではの気候から生まれた寒天を、私たちは大事にいただき、いつまでも守っていきたいものです。

 ただしこれは天然寒天の製法で、天日を利用せず機械を使って大量生産する「工業寒天」もあります。角寒天と糸寒天のほとんどが天然寒天で、粉末寒天には工業寒天が多いようです。

 

 驚くことにこの寒天は、食品の食物繊維含有率1位なのだそうです。ご存知のとおり、植物繊維は腸の健康に欠かせません。食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があり、100%海草の寒天は、水溶性植物繊維を大量に含んでいます。水溶性植物繊維の特徴は、まず腸内の善玉菌を増やしてくれること。善玉菌が減って悪玉菌が増えてしまうと、腸の活動が鈍くなり、様々な病気を引き起こすため、善玉菌を増やしていくことは大切です。

 また水溶性植物繊維は、腸の中で溶けて食べたもののカスをからめ取り、腸を掃除してくれます。さらに寒天はカルシウムやミネラル、鉄分などもありながら、なんとカロリーはほぼゼロ! たくさん食べても太る心配はありません。

 そういえば2年くらい前、ダイエット食材として寒天がブームになり、店頭では品切れ続出だったのをみなさんは覚えているでしょうか。手間をかけて乾燥させて作られた寒天は、家庭で再び戻し、料理をしなくてはいけないというまさにスローフード。ブームのときは一生懸命食べていたけれど、面倒になってすっかり「寒天離れ」してしまった人もいるのでは? ダイエットだけでなく寒天の健康効果をもう一度見直して、様々な料理に活用してみてはいかがでしょうか。

                 レシピ「蟹と野菜の寒天寄せ」

 寒天はツルンとしているけれどちょっとコリッとした、ゼラチンで作るゼリーとは異なる独特の食感が特徴です。寒天を使った料理でまず思い浮かべるのは、みつ豆ではないでしょうか。その他にも使い道はいろいろあります。お子さんには牛乳かんなどを作ってあげると安全安心なおやつに。健康のために寒天を食べたいけれど、手間がかかるという人は、炊飯のときに寒天をちぎって加えるだけでもOK。わざわざ戻す必要がなく、ごはんはツヤツヤ、植物繊維も摂れます。  

 

 さて、今回は寒天寄せを作ってみました。意外に簡単に作れるのに彩りがきれいで、豪華に見えるので、おもてなし料理にもおすすめです。

[材料 約8人前]
角(棒)寒天...1本
枝豆(さや付き)...70g
しいたけ...4枚
にんじん...30g
蟹身...50g
だし汁(鰹と昆布)...500ml
酒...大さじ1
しょうゆ...小さじ2
塩...少々

[作り方]
1. 寒天は水洗いして3~4時間、たっぷりの水に浸しておく。
2. 1の寒天を固くしぼり、細かくちぎって鍋に入れる。だし汁を注ぎ火にかけて、酒を入れてかき混ぜながらしっかりと溶かす。あくが出たらすくっておく。しょうゆ、塩で調味する。
3. 枝豆はゆでてさやから取り出し、にんじん、しいたけは千切りにしてさっと下ゆでする。蟹身はほぐしておく。
4. 2を水にぬらした型や密閉容器に注ぎ枝豆、にんじん、しいたけ、蟹身をバランスよく入れていく。だし汁が固まってきていたら、再び火にかけて液状にすること。
5. 粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷やし固める。
6. 型から取り出し、好みの大きさに切って皿に盛り付ける。

 

寒天.JPG

                          (角寒天)
         2本入りで販売されていることが多いです。今回は1本を使います

 

絞ってから細かく千切る.JPG                   (固く絞って千切る)
      水に戻して絞ってから千切ります。寒天がプニュプニュと柔らかく、楽しい作業

 

 

下ゆでした野菜.JPG

                        (下ゆでした野菜)
ごぼうや竹の子、いんげんなど、様々な野菜で応用できます。
残り野菜を有効に使いましょう


 

 

密閉容器に入れる.JPG                   (密閉容器に入れる)
       型があるとよりきれいにできますが、今回は手軽な密閉容器を使いました


 

 

寒天完成.JPG

                         (完成)
     いちばんのクライマックスはカットして断面を見るとき。きれいだとちょっとうれしい!

|


 いよいよ暑くなってきましたね。私は夏になっても食欲が落ちず、悲しいことに「夏太り」してしまうタイプですが、暑くなると夏バテして食欲が減退する人が多いですよね。そんな人におすすめなのが、元気をつくるたんぱく質たっぷり、しかも吸収の早い「豆乳」です。

 中国や台湾では、豆乳のことを豆漿(トウチャン)といい、朝ごはんの定番です。これらの国で朝からにぎわっているお店があったら、おそらくそれは豆漿屋さん。

 私はこの5月に台湾旅行に行ったのですが、ホテルの朝ごはんブッフェはパスして、街に繰り出して豆漿を食べていました。なぜわざわざ行くかというと、前日に食べ過ぎて(台湾料理がおいしくて!)食欲がない朝でも、豆漿は胃にやさしいから。

 お砂糖を入れた甘いタイプと、青ネギと細かく切った油条(細長い揚げパン)を加えた塩味タイプの2種類があり、さらに冷たいタイプと温かいタイプから選べます。私の好みは温かい塩味タイプ。食べていると少しずつ豆腐のように固まってくるのが楽しみでした。

 豆漿屋さんには出勤前のサラリーマンや、OL、親子、老夫婦などが次々とやってきます。誰もが好きな活力源なのですね。

 豆乳は「畑のお肉」といわれる大豆が原料。大豆は良質な植物性たんぱく質以外にも、健康にしてくれる成分がたくさんあります。このような大豆の栄養を、吸収のよい形にしたのが豆乳なのです。

中でも注目したいのが大豆イソフラボン。これは大豆の胚芽に含まれている植物性化合物でポリフェノールの一種なのですが、女性ホルモン「エストロゲン」に似た構造をしています。そのため不足したエストロゲンを、大豆イソフラボンで補足することによって、更年期障害によるほてりやのぼせが軽減されるといわれています。

またエストロゲン低下による骨量の減少を防いだり、血液サラサラの効果もあります。さらには美白作用や保湿力アップといった肌への美容効果も。しかも低カロリーでコレステロールはゼロ。女性には、うれしい効果がたくさんあるのです!

その他、悪玉コレステロールを減少させる大豆レシチン、脂肪の蓄積を防ぎ、活性酸素の作用を抑える大豆サポニンなども豊富。オリゴ糖も多く、腸内環境を整えてくれます。体の機能を正常に保つために必要なミネラル類の鉄分、カリウム、マグネシウムも豊富で、特に鉄分は牛乳の約10倍、マグネシウムは約2倍もあります。

 ところで、みなさんは豆乳には無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料の3種類があるのをご存知ですか。無調整豆乳は添加物の入っていない丸大豆を搾ったままのもので、味が濃厚。調整豆乳は、豆乳に甘味料・香料・植物油などを加えて飲みやすい味に加工したものです。

 また豆乳飲料は豆乳液に果実やコーヒー麦芽などを加えて風味をつけた飲料です。調整豆乳や豆乳飲料は飲みやすいのですが、みなさんが料理などで使う際には、ぜひ無調整豆乳を使っていただきたいですね。

レシピ「豆乳の冷製にんじんスープ」

夏バテ気味で食欲がないという人に、ぜひ作っていただきたいスープです。野菜+植物性たんぱく質の最強コンビ。前の日に作っておいて、朝ごはん代わりにすれば、1日元気に過ごせそうです。温かくてもおいしいのですが、冷やすと一層食べやすくなりますよ。

ポイントは生姜の隠し味。ほのかにピリッとした味わいと香りが楽しめますし、生姜が体を温めてくれるので、冷房などで冷えてしまった体にもピッタリです。

[材料 約4人前]
にんじん...1本
たまねぎ...1/2個
生姜...1片(親指の大きさ)
豆乳(無調整)...300ml
水...200ml
オリーブオイル...小さじ1
塩...小さじ1
こしょう...少々
パセリ...少々

[作り方]
  1. にんじんは無農薬なら皮付きのままで、たまねぎは皮をむいて薄切りにし、生姜は皮をむいて粗みじん切りにする。
  2. 鍋に入れオリーブオイルを熱し、1の生姜、たまねぎ、にんじんの順にを加えて弱めの中火で炒める。
  3. たまねぎが透き通ってきたら、水を入れて中火で野菜が柔らかくなるまで煮る。
  4. 火を止めて粗熱が取れたら、汁ごとミキサーにかけてピューレ状にする。
  5. 4を鍋に戻す(ミキサーの底のとれにくい部分は豆乳を入れて、薄めてから鍋に戻す)。豆乳を加えて温め、塩・こしょうで味を調える。
  6. 粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし、器に盛りパセリを飾る。

材料の分量です(水と調味料は除く)



(材料をスライス)
にんじん、たまねぎは薄切りにすると火が通りやすいです



(煮た後ミキサーに)
野菜が柔らかくなったらミキサーへ。もし水分が足りなかったら、
少しずつ水を足しましょう



(ミキサーにかけた後)
このようなとろりとしたピューレ状になります



(完成)
野菜の甘みとうまみがたっぷり。野菜嫌いのお子さんにもおすすめです
|
takahashi.jpg

  前回のオクラに引き続き、今回も夏においしい緑の濃い野菜をお届けします。熱帯アジア出身の「ゴーヤー」の登場です。ゴーヤーチャンプルーを作るというご家庭も多いでしょう。そのくらいゴーヤーは馴染みの野菜になりましたが、日本各地で栽培・販売されるようになったのはここ10年ほど。それまでは沖縄の地方野菜でした。どうやらNHKドラマの「ちゅらさん」がゴーヤー人気に火をつけたようです。

 

正式名は「ツルレイシ(蔓茘枝)」または「ニガウリ(苦瓜)」。沖縄本島では「ゴーヤー」、宮古島では「ゴーラー」、八重山地方では「ゴーヤ」、九州では「レイシ」「ニガゴリ、ニガゴイ」などとよばれていて、沖縄地方の呼び名が、一般に広まったのですね。

 

外見の特徴は濃い緑とイボイボ。私は始めて見た時、触るのもおっかなびっくりで、「こんな野菜がおいしいわけがない」と思いましたが、今ではすっかり虜です。虜にしたのはシャキッとした歯ごたえの後に感じる強い苦味。爽快な苦さで、食べた後は口中がスッキリ。潔ささえ感じます。しかもゴーヤーを食べると、ムクムクと元気がわいてくるようなのです。夏になって「今年もいろいろな料理にしてたくさん食べるぞ」と思っただけでもパワーが出る感じ。

 

これにはちゃんと理由があって、ゴーヤーには、ビタミンCをはじめとするミネラルが多く、夏バテ予防や食欲増進に効果があるからです。ゴーヤー1本につき、レモン約2個分、ほうれん草の約2倍に相当するビタミンCが含まれています。ゴーヤーのビタミンCは熱を加えても、壊れにくいのというのも特徴。しかもビタミンCを豊富に含む野菜は、動物性食品と一緒に組み合わせると、さらに抗酸化力がアップするという性質があります。ゴーヤーを肉と一緒に炒めるゴーヤーチャンプルーは、まさしく沖縄の人たちが考え出した「暑さに負けない料理」なのですね。

 

苦味の成分は「モモルデシン」や「チャランチン」というもの。これには血糖値や血圧、コレステロールを下げる効果があります。海外でも多くの臨床試験が行われ、その結果ゴーヤーが特に糖尿病に有効であることが報告されています。

 

ゴーヤーを選ぶときは、緑が濃く色が均一のものがおすすめです。イボイボがしっかりとあるものがおいしい証拠。イボイボの先がつぶれていたり、黒くなっているものは避けましょう。

 

さて、体のためにゴーヤーを食べたいけれど、どうしてもあの苦さが好きではないという人もいるでしょう。そんな人は薄くスライスして塩もみをすれば、苦味は和らぎます。ぜひお試しを。

 

 

レシピ「ゴーヤーとエシャレットのポン酢あえ」

 

 

 

  夏向きのさっぱりとしたあえものを作りましょう。沖縄野菜の島らっきょうが手に入れば、エシャレットの代わりに使うと、さらに沖縄料理らしさがアップ。エシャレットも島らっきょうも早採りのらっきょうですが、島らっきょうのほうが辛みが少なく、味がマイルドです。

 

  作ってすぐに食べれば、ゴーヤーのシャキッとした食感と、ほどよい苦味が楽しめます。冷蔵庫に保存して翌日食べれば、ポン酢が染みてゴーヤーが少ししんなりし、苦味もマイルドになって食べやすくなります。どちらもおいしいので、たっぷり作って2日に分けて、味の変化を楽しんでください。今までゴーヤーもエシャレットも苦手だったという人でも、意外に食べられるかもしれません。

 

 

[材料]

ゴーヤー...1/2

エシャレット...1束

ポン酢...大さじ1

鰹の削り節(粗削りの場合は細かく刻む)...適量

 

 

[作り方]

1.     ゴーヤーは縦に2等分に切り、白いワタと種の部分をスプーンで削ぎ取り、3㎜程度の薄切りにする。

2.     エシャレットは根と葉の緑の部分を切り落とし、白い部分を小口切りにする。

3.     1のゴーヤーを熱湯で30秒ほどさっとゆでる。冷水に取った後、軽くしぼって水気を取る。

4.     ボウルに2のエシャレット、3のゴーヤーを入れ、ポン酢をかけてよくあえる。

5.     器に盛り、鰹の削り節をかける。

 

 

 

ゴーヤ.JPG                            (ゴーヤ)

          緑が濃く、ずっしりと重たいものがおいしい証拠

 

 

 

ワタを取る.JPG

                      (ワタをスプーンで取る)

             このようにスプーンで削ぎ取るとラクです

 

 

 

ワタを取った後.JPG                          (ワタを取った後)

ワタをしっかりかき取るのがポイント。苦味が和らぎ、食感もよくなります

 

 

 

 切った後.JPG                            (切った後)

ゴーヤーとエシャレットの切り方はこの写真を参考にしてください

 

 

 

 

ゆでてあえる.JPG

                           (ゆでてあえる)

ゆでたゴーヤーと小口切りのエシャレット。ここにポン酢をかけてよくあえます

 

 

 

 

 

 

完成.JPG(キャプション6 完成)

あえたばかりのゴーヤーはきれいな薄緑色。翌日には味がしみて薄茶色になります

 

|