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第33回根のある暮らし 市民による農地・漁場の再生、仕事の場づくり

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 大震災から3か月が経ち、TV等では未だにがれきの山や壊れた堤防の映像が流れていますが、一方で復興に向けた様々な動きも報道されています。皆さんご自身や周囲でも色々と活動が行われているのではないでしょうか。私もいくつかの活動に参加したり、始めたりしています。

 

塩害の農地にトマトを植える

 その一つ。6月4日に津波で塩害被害を受けた農地にトマトの苗を植えてきました。毎年今頃は仙台周辺の田んぼも稲がすくすく伸び青々とした水田が美しい時期です。しかし、今年は排水設備が壊れ、農地が塩害の被害を受けて田植えのできない水田が沢山あります。周辺の松林は茶色く枯れ、防波堤も未だ崩れたままです。


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水が引かない農地


 そんな中でも、なんとか田畑に作物を植えることができないか、と挑戦する人がいます。NPO法人農商工連携サポートセンターとマイファームが共同で企画したツアーで、仙台から少し離れた岩沼市の畑でトマトとネギの苗を植え、有機綿の種をまいてきました。親子連れや東京などから49人が、地元のロータリークラブの方など含め、総勢80人位で植えました。東京からの参加者は「ガレキの撤去など力仕事はできないけど、何かしたかった。」、「復興のお手伝いができることは本当に嬉しい」と参加の気持ちを語っていました。熊本の塩トマトなど甘くて美味しいと有名ですが、トマトは塩分に強い野菜なのです。

 2軒の農家の協力を得て、地元の方達と一緒に畑とビニールハウスに約600本の苗を植えました。農家の方が「田畑はほとんど津波の被害を受けて、今年は何にも植えられません。でも、今日こうしてトマトを植えることができたのは、本当に嬉しいです。何か一つでも実れば、本当に励みになります。」と言われ、心打たれました。収穫は8月。実るよう、祈っています。

 

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トマトの苗を植えた


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参加者集合写真


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1週間後。オーガニックコットンも無事発芽

 

 

森は海の恋人。山に広葉樹を植える

 翌5日は、ツアーではありませんが、家族で気仙沼近くまで足を伸ばしました。気仙沼には牡蠣の養殖で有名な畠山重篤さんがお住まいです。畠山さんの著作『森は海の恋人』はロングセラー。「豊かな森は豊かな海を作る」という森・川・海の連携で生態系を保全する活動として毎年植樹祭が開催されています。

 畠山さんの養殖場も壊滅的な被害を受け、集落は津波に飲まれ、お母様を亡くされました。直ちに続々と全国から募金や救援物資が届きました。植樹祭に参加してきた人や、森・川・海の連携活動を各地で実践してきた仲間達からのものでした。

 

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壊滅的な被害を受けた漁場

 

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牡蠣の養殖家、畠山重篤さん

 

 植樹祭が行われるのは気仙沼に流れ込む大川の上流にある矢越山(岩手県一関市室根町)で、色々な種類の広葉樹が植えられます。今回は23回目の植樹祭。地元の漁師さん、山村の人、地元の小学生や大人、そして都市部の人たち約1200人が苗を植えました。

 いつか参加したいと思っていたこの植樹祭。娘と一緒に、被災された方たちが普通の生活を取り戻せるよう祈りつつ苗を植えてきました。

 

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今年も開かれた植樹祭


 続いて、7月の中旬には私は知人たちと「東北と首都圏の女性の交流会」を開催します。東北各地で被災地の復興のために、コミュニティの場づくりや、仕事づくりの活動をしている女性達に会い、話を聞き、首都圏に住む私達に何ができるか、意見交換しようという趣旨です。また、後日報告させていただきます。