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16回小野田原稿.jpgのサムネール画像

 7月上旬の東京は暑い日が続き、我が家ではエアコンに頼らざるを得ず、急いでフィルターと室外機の掃除をしましたが、みなさんのご家庭はいかがでしょうか。

 エアコンを始動させる前に、エアコンの掃除をしっかりしておきましょう。エアコンの効率がアップし、電気代も節約できます。

 まず、室内機、室外機の掃除ですが、余分なほこりなどを取り除きます。

 さらに、室外機にカバーをして直射日光を避けるとより効果的です。その際、カバーをする場所には注意しましょう。風の通り道となる吸込口や吐出口に決してカバーがかからないようにしましょう。せっかくの省エネ対策が逆効果になってしまいます。

 最近は、さまざまなタイプのカバーが売られています。自分で作っても、決して難しくはありません。断熱性が高く反射する素材のシートと、固定用のバンドがあれば十分です。

 あまり知られていませんが、エアコンの消費電力の大半を室外機で消費しています。しっかりとメンテナンスをしてやりましょう。



第15回 環境問題≠CO2

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 最近、いろいろな会議に出席しているなかで、毎回のように同じことを言っています。それが「環境問題≠CO2(地球温暖化)」という認識を持ちすぎると世の中をミスリードする、ということです。環境問題といってもいろいろあります。地球温暖化、廃棄物問題、大気汚染、水質汚濁、生物多様性、等挙げたらきりがありません。私はよく言いますが、「環境問題の専門家」というのはこの世に存在しません。それぞれ、得意分野があるもので、全体を語れる人はいないと思います。また、人々の意識や価値観は時代や地域によって異なるものです。そのなかで、昨今の情勢をみてみると、地球温暖化への関心が高まっているのは事実です。だからといって、その他の環境問題を無視してよいわけではありません。なぜなら、偏った見方をしていると、重要な問題を見落としてしまう可能性があるからです。もう少し具体的にいうと、CO2の問題だけを優先的に議論していると、他の環境問題に悪影響を与える可能性がある、ということです。こうした相反する事象を「トレード・オフ」の関係にある、といいます。

 

 

第14回 「みなし効果」

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 前回の続きで、CO2の数値の見方に関するちょっとしたアドバイスです。「みなし効果」という言葉はあまり耳にすることはありませんが、知っておくとCO2の数値を見る目が変わってくると思います。

 

 乗り物で考えてみましょう。例えば、マイカー通勤を抑制するとします。そうすると、その分だけガソリンの使用量は減りますよね。その分だけ、CO2削減につながります。一方、「鉄道は飛行機に比べて、●●%CO2削減!」という広告があったとします。これは、計算上は、間違ってはいません。例えば、1人、1kmあたりのCO2排出量を計算すると、鉄道の方が小さくなりますので、その差をとって表示すればよいわけです。しかし、問題は、「一人の人が東京から大阪へ行くのに、飛行機ではなく鉄道で行くことにしたから、CO2が削減されるか否か?」という点です。これは、鉄道と飛行機の便数が変わらなければ「NO」です。こうした場合のCO2削減効果を「みなし効果」と呼ぶことがあります。

 

 黙されているのではないかと思う方もいると思います。確かに、この「みなし効果」だけが一人歩きをして、実際は減っていないのにあたかもCO2が削減したかのような言い方をするのはよくないことです。しかし、みなし効果には意味があります。上記の例でいくと、鉄道の環境配慮をPRすることによって、社会全体で鉄道の利用者が増加して、飛行機の利用者が減少したとします。それによって、東京-大阪間の飛行機の便数が減ったとします。そうなったときにはじめて、上記の「CO2削減」が達成されるわけです。つまり、「みなし効果」は、消費者の意識や社会システムの変革が実際に起こったときに、どうなるかを計算している値とみることもできます。

 

 問題なのは、こうした数値を算出し、消費者向けに情報開示している方々がそれを理解しているかどうかです。また、乗り物は、単にCO2だけでなく、その利便性も含めて評価すべきものであることも言っておきたいと思います。

 

 前回と今回で申し上げたいのは、「数値に惑わされないこと。」です。

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最近、CO2を巡る数値をいろいろなところで見かけるようになってきました。私のところにも「CO2の計算をしてほしい。」という依頼が頻繁にくるようになってきています。とくに、企業の方々は、数値で表現した方が、インパクトがあるので、ニーズが高いようです。

 

 そのときにその数値に惑わされないようにしてください。同じCO2でも、それが「排出量」なのか「削減量」なのかで意味は大きく変わってきます。例えば、この469maランドで出力されるのは「排出量」です。排出量は当然、少ない方がよいですよね。一方、「削減量」は何かと何かを比較して、どれだけ減ったかを表現する場合に用いられます。たくさん、削減した方がよいので、削減量は大きい方がよいです。

 

 これらの情報は、一種の情報提供やPRの材料として活用されることが多いです。したがって、少し言い方は悪いですが、情報を提供する方は、自分たちの都合がよい数値を提示しようとします。本来は、その数値がどのように計算されたのかまでを検証する作業が必要ですが、まずは、CO2に関する数値を目にしたら、それが「排出量」なのか「削減量」なのかを見分けるようにしてみてください。

 

 下記の雑誌では、「CO2削減量」を教えてほしいということで取材を受けたものです。実は、これを説明するためには、非常に細かい条件設定が必要になるのですが、紙面の都合上、詳細な説明はできませんでした。上記の観点から、改めて眺めてみてください。 

http://e-wei.co.jp/pdf/1003%20oggi.pdf

 

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個人や企業等がCO2排出量に応じた寄付等を行い、それを財源として植林や再生可能エネルギーの導入支援等CO2削減に貢献する事業を行うことで、CO2排出量を「相殺(オフセット)」するという考え方です。現在、これに関するさまざまな商品開発や事業が我が国でも登場しています。

要は、温暖化対策に取り組むための資金調達のひとつの手段であると考えてよいでしょう。企業等が温暖化対策等に取り組むきっかけとしては非常に興味深いスキームであるとは思いますが、もう少し工夫が必要であると個人的には考えています。

問題は、オフセットした資金がどのような温暖化対策に使われているかです。現存する大半の商品は、海外の排出枠を購入するための資金に充てられているようです(「排出枠付商品」と文字通りの表現をしている商品・サービスも存在します)。もちろん、これは京都議定書の目標達成に貢献するものです。しかし、もう少し国内の温暖化対策(例えば、省エネが進まない民生部門や中小企業の温暖化対策の原資とする等)の資金として活用されるような事例がもっともっと出てきてもよいのではないでしょうか。

海外では、低所得者の住宅の省エネ対策(電気代が少なくて済みます)や国内の太陽光発電施設の設置の資金となったりしています。

みなさんに見極めてほしいのは、単純にカーボン・オフセットが温暖化に貢献する、と思うのではなく、それによって集められた資金が何に活用されているかを見極めていってほしいと思っています。


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「炭素の足跡」という意味で、上店頭等で商品にライフサイクルにわたるCO2排出量を表示することをいいます。欧州では先行的な取り組みが進んでおり、我が国でも経済産業省が大手小売業と連携して研究会を立ち上げて議論が進んでいます。消費者の低環境負荷製品選択を支援するための仕組みとして注目されています。例えば、地元で生産された食品は、輸入品よりもCO2排出量が小さくなると予想されますよね。私自身は、カーボン・フット・プリントが単に地球温暖化に対する問題としてだけでなく、食の安全・安心(トレーサビリティの確保)等との問題と抱き合わせて議論されていけばよいと思っています。

 

ちなみに私どもがお手伝いした例としては、地域の特産品(農産物)のカーボン・フット・プリントをお手伝いしています。これらを通じて、特産品のブランディング化ができればと考えています。

 

島根県飯南町におけるカーボン・フット・プリントの取り組み


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今回から、何回かに分けて、最近よく耳にする言葉について解説していきたいと思います。

 

今回は、エコポイントです。エコポイントは、省エネ商品・サービスの購入・利用又は省エネ行動に伴いポイントがたまり、そのポイントを商品等に交換することができるシステムや仕組みの総称です。最近では、政府が推奨している省エネ家電の買い替え等でつくポイントが注目されていますが、その仕組みは地域や民間企業独自で構築されているもののもあります。

 

もともと消費者が環境問題に取り組むためのインセンティブを付与することを目的に議論が始まったものです。どのような仕組みがあれば、もっといろいろな人たちが環境問題に参画してくれるか?アイディアはたくさんあると思います。議論が進んでいるように思われていますが、がちがちに固まったものではないので、みなさんの地域独自のエコポイントシステムを考えてみてはいかがでしょうか。

 

 なお、下記は私たちが開発しているエコポイント取引端末です。お手軽にエコポイントシステムを設計できますので、関心のある方は見てみてください。

 

地域環境通貨取引端末 e-yonde(いーよんで)

 




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 この図は、我が家で入力したデータです。平均値よりだいぶ小さくなっていますが、これは、自動車には乗らないので、ガソリンに起因するCO2排出量がないこと、妻と2人暮らし(当時、20097月に長女が誕生し、3人になりました!)でかつ、外出している時間が長い等のことが挙げられます。

 

 夏場(8月)よりも冬場(12月)の電力消費が大きくなっていることがわかります。

 

 まずは、みなさんの家庭でのCO2排出量の推移を把握してみてください(電気やガスなどの推移とみなさんの生活を重ね合わせて考えてみてください)。次に、CO2排出量のピークがいつになっているかを確認してみてください。

 

そのうえで、年間を通じてみた場合の省エネのポイントは以下のとおりです。

・ 中間期(春、秋)は、なるべくエアコンを使わない(極力、ゼロに近づけましょう)。

・ ピーク時(夏、冬)のエアコンの負荷をなるべく下げる(「使わない」というわけではなく、設定温度を適正にすることや不要時は止める等です)。

・ 年間を通じて使用する機器はこまめな省エネを実行する(例:冷蔵庫、照明、電気製品の待機電力カット等)、あるいは、最新タイプへの更新を検討する。

 

 これらもどこかで聞いたことがある話かもしれません。しかし、自分の家のデータと突き合わせて考えることで、その改善策のイメージがより具体的になってくると思います。

 

 ちなみに、私の家の夏場の電力が抑制できたのは理由があります。我が家には、リビングに大きなエアコンがあります。夏、在宅しているときは、なるべく「リビングにいないように」こころがけました。つまり、もう少し小さいサイズのエアコンが付いている別の部屋で日中過ごしたりしていました。

 

 このように「動線」を変えることも省エネの観点からいくと有効なのです。




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469maランドがオープンしてからはや1年が経過しました。NHKの「おはよう日本(2009/7/17放送)」でも取り上げられるなど少しずつ関心も高まっているようで何よりです。どんどんバージョンアップを図っていきますので、引き続きよろしくお願いします。

 

さて、私自身は、昨年(2008年)の6月に転居した関係で、ようやく1年分のデータの入力が完了しました。こちらを例に、みなさんに知っておいてほしいことを今回は紹介したいと思います。

 

ポイントは、「CO2排出量の1年間の推移(トレンド)を把握する」ことです。

 

CO2排出量は、夏に向かって増え、秋には少し減少傾向となり、冬に向かって再び増え、春になるとまた減少するというパターンになっていることがわかります。当たり前のことだと思うかもしれませんが、このトレンドを知っているか知っていないかは重要なポイントとなります。

 

どういうことかと言うと、「CO2排出量を前月より削減したい。」と言っても中間期(春、秋のことを意味します)から冷暖房を使う夏季、冬季に向かって、月々のCO2排出量を減らすには相当無理をする必要があります(冷暖房を使用しない生活が許容できるなら別ですが・・・)。このように、CO2排出量の排出量の推移は、季節(気温)や天候等によっても大きく左右されるのです。したがって、CO2排出量の削減計画というものは原則、年間ベースのデータを把握した上でたてるべきものなのです。

 

次回は、もう少し詳しく中身を見てみましょう。

 

 

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CO2は、化石燃料が燃焼することによって発生します。したがって、実際には複雑な化学反応式によってその発生量を算出します。

 

しかし、そんな難しいことをしなくてもCO2排出量は比較的簡単な計算式で求めることができます。以下の式を覚えておいてください。

 

 

CO2排出量=CO2排出係数×消費量

 

 

ここで、CO2排出係数とは電気やガス、ガソリン等のエネルギー種別に定められた値で、政令等で指定されています。

 

また、消費量は実際に使ったエネルギー量です。つまり、使ったエネルギーとその消費量さえわかればCO2排出量は簡単に計算することができます。注意するのは、単位だけです。

 

469maランドでも、このロジックを使って皆さんのご家庭のCO2排出量を計算しているのです。主なCO2排出係数の一覧を下図に示します。

電力のCO2排出係数は、電力会社ごとに公表されています。だいたい0.3-0.5kg-CO2/kWhの範囲に収まっていますが、この差は各電力会社の保有している発電所の種類に依存します。

 

CO2を排出しない原子力発電や水力発電の割合が大きいとこの値は小さくなり、石炭や石油等の火力発電の割合が大きいとこの値も大きくなります。

 

ちなみに、ガソリン1Lを燃焼すると約2.3kgCO2を排出します。以前「何でガソリン1L(約1kg弱)でCO22kgでるのか?1kgじゃないのか?」と質問されたことがあります。

 

これは、冒頭にも申し上げたように化学反応なので全くおかしなことではありません。ガソリンが燃焼すると、エネルギーを発生するとともにCO2だけでなく水等も発生します。これら化学反応全体でみると、質量保存の法則は成り立っているのです。

 

 

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具体的な数値の例を示します。電力会社の例として、3社を挙げましたが、この違いはどこからくるのでしょうか?

 

これは、「電源構成」に依存します。原子力発電所が多い電力会社はこの値は小さくなります。

ここでは、東京電力と九州電力が該当しますが、東京電力に関しては、柏崎の原子力発電所が止まっていますので、平成20年度の値は、0.425kg-CO2/kWhとなっています。中部電力のように火力発電(とくに石炭)の割合が大きいと排出係数(原単位ということもあります)は大きくなります。「電力は0.3-0.5kg-CO2/kWh」という感覚を覚えておくとよいでしょう。

 

その他、よく使われる燃料の例は以下のとおりです。単位の違いさえ、気を付ければ計算自体は難しくありません。余談ですが、この単位を間違えて集計している事業者様も時々いらっしゃるようです・・・・

 

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