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「私のヒストリー」第13回

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学生時代その4(後編)

悲惨な事故だった――。

 クルマは丹沢の崖下85メートルに転落し、大破していた。

 ナビゲーター役と後部右側の二名が即死。ドライバーと後部に居た二人の部員は、怪我はあったものの、奇跡的に命に別状は無かった。その助かった部員が明るくなってから崖を這い上がり、助けを求めたのだった。

 

部員二名の葬儀は、大学のチャペルで行なわれた。

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「大学自動車部、相次ぐ死傷事故!」

  立教大学だけではなく他の大学の自動車部の事故も頻発し、多くのマスコミに社会問題と提起された。連日の報道と、その後の事故処理。学生生活の全てを、私はこれに注ぎ込んだ。

 交通量の増大と共に、広い国道を使うラリーから交通量の少ない地方道路を使う。競技中のミスを取り返すためにスピードを上げるから、無理な運転が起こり事故を起こすという論調で、学生ラリーに警鐘が鳴らされたのだ。この時代をピークに、公道を使うラリーは衰退し、サーキットを使用したラリーへと競技は変わっていった。

 

「君の行く道は、果てしなく遠いー♪」

 我々はこの歌を、何回も涙を浮かべながら歌っていた。

 事故が起きた夏、二年生以上の自動車部員約30名で、亡くなった部員二人の追悼の墓参りに行くことになったのだ。

 部車のいすゞの大型幌つきトラック、ジープ、トヨペットクラウン2台に分乗し、30名で亡くなった部員の墓参りに九州は大分と宮崎に旅立った。

 墓参りを兼ね、交通安全の標語を掲げ、東京から九州往復総距離6000キロを走破する大遠征だった。

 トラックにはマットが敷き詰められ、食料が積み込まれている。仮眠をとりながら交代で運転をする。そしてギターを持ち込んだ部員が、「若者たち」を口ずさむと、自然発生的な合唱になっていき、日焼けと泥だらけの真っ黒い顔に涙が零れ落ちていった。

 

 亡くなった部員の墓は、日田市と延岡市にある。

 二人の墓前で、我々は全員で手を合わせ、家族の方達と一緒にみんなで立教大学校歌、そして応援歌を合唱した。

 6000キロの長い道のり。クルマを交代で運転し、隊列を組みながら安全運転で走る。土埃の中、誰もが真っ黒な顔になっていた。そして宿舎に着くと、真っ先にクルマの点検整備に取り掛かる。

亡くなった仲間に会いに行く、悲しい旅だった――。

 

469maランドスタッフより>

小嶋さんの幼少時代から、学生時代のストーリー如何でしたでしょうか? いよいよ次回からは、社会人編のスタートになります。日本ハムに入社し、プロ野球日本ハム球団のメンバーとして活躍した話が始まります。乞うご期待を!


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